「アンタこんなとこで何してんの?」

「愛亜……」

結梨は愛亜の顔を見るなり

身体をビクッと震わせる。

愛亜の視線が鋭くなり、結梨に突き刺さる。

愛亜と結梨の間に重い空気が流れる。

結梨が無言で立ち上がり

俺と愛亜の前をすり抜けようとする。

「結梨……」

俺は、思わず呼び止める。

結梨が振り向き、俺に視線を移す。

「あ、いや……」

俺は、咄嗟の判断で

呼び止めたことを無かったことにする。

結梨が寂しそうな顔で俯く。

そのまま結梨は何も言わず

足早にその場を後にした。

愛亜が俺の方に近づいてくる。

そして、俺の顔をじっと見つめる。

「……」

俺は、何も言わない。

「やっぱり、そうよね」

「何が?」

「結梨のこと」

「だから何が?」

俺は、愛亜の発言に苛立ちを覚える。

愛亜は、俺を見据えたまま

静かに口を開いた。

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