6
「アンタこんなとこで何してんの?」
「愛亜……」
結梨は愛亜の顔を見るなり
身体をビクッと震わせる。
愛亜の視線が鋭くなり、結梨に突き刺さる。
愛亜と結梨の間に重い空気が流れる。
結梨が無言で立ち上がり
俺と愛亜の前をすり抜けようとする。
「結梨……」
俺は、思わず呼び止める。
結梨が振り向き、俺に視線を移す。
「あ、いや……」
俺は、咄嗟の判断で
呼び止めたことを無かったことにする。
結梨が寂しそうな顔で俯く。
そのまま結梨は何も言わず
足早にその場を後にした。
愛亜が俺の方に近づいてくる。
そして、俺の顔をじっと見つめる。
「……」
俺は、何も言わない。
「やっぱり、そうよね」
「何が?」
「結梨のこと」
「だから何が?」
俺は、愛亜の発言に苛立ちを覚える。
愛亜は、俺を見据えたまま
静かに口を開いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます