第8話

下着を抜き取られるのを、もう止められなかった。陸がこんなわたしを受け入れてくれるというのなら、抵抗する理由が見つからなかった。

 陸のものが押し当てられるのが分かった。多少の痛みは我慢するつもりだったけど。

「い、痛い、痛い、無理ーー」

 たまらず声をあげたら、陸は動きを止めた。

「痛いか」

 何度も頷く。やめてほしい。

「じゃあ、痛い分だけ俺の肩を噛んでいい。首は危ないから肩な」

 そう言って、左肩をわたしの口元に寄せてきた。

「そんなの、噛みちぎっちゃうかもしんないよ」

「いいよ。俺に痕をつけろ」

 陸に痛い思いをさせることには抵抗があったけど、彼に痕をつけるというのには魅力を感じた。痕をつけるのは、陸がわたしのものだと刻みつけることだ。陸ともう二度と離れたくない。

「分かった。じゃあ、噛む」

「ああ。遠慮なく噛め」

 陸は再び彼のものを押し入れ始めた。ゆっくりと、でも容赦のない力で。

 彼の肩に齧りつくと、うめき声とともに一瞬動きが止まった。でも、すぐにまたメリメリと押し進めてくる。口の中に血の味が広がるのが分かったけど、陸が動きを止めない限り、わたしも食いしばるのを止められなかった。


 そのまま、どのくらいの時間が経ったのか分からない。

「サチ」

 陸が不意にわたしの名前を呼んだ。

「全部入った」

 痛すぎて、何がどうなっているのかよく分からなかったけど、陸を受け入れることができたのは、嬉しいと思った。

「動くぞ」

 彼の肩に歯を食いこませたまま、小刻みに頷く。

 陸が前後に動きだした。まだすごく痛いけど、さっきまでよりは少しマシになった。

 陸の荒い息遣いが聞こえて、肩が大変なことになっているのではないかと心配になってきた頃、彼はひとつ大きく息をついて、動きを止めた。

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