第47話

身体を合わせれば思いが通じ合えると三成も思っていたが、身体を離してしまえば思いは別にあると知った。




虎之介は知った風に三成に話を振る。


色街の女しか知らなかった虎之介だが城の侍女には良く袖を引かれているようだ。



父の屋敷に戻ると母は兄が婚姻したこともあり、しつこく縁談話を持ってくるが三成はそれらを全て丁重に断わってきた。



そんな三成だったが城の侍女のお葉に話掛けられる。


誘ってくることはないが他の若侍達には羨ましがられてしまい悩んでいた。



お葉は確かに美少女で化粧も施し美しい小袖を身につけている。



虎之介や紀之介は見ていて、お葉が三成に熱を上げていると分かるぐらいだ。




ー正直…女子は当分こりごりだ…



忙しくこの頃、秀吉は高札を立て村という村から兵と人夫をかき集めていた。




近習達の住まう室で三成が書に目を通していると、虎之介が話しかけてくる。




「なぁ、最近…紀之介が良く出かけると思わぬか?」




「そうだな、夜帰って来るのが遅いようだが心配せずとも大丈夫だろう」




「佐吉は気にならぬのか…」




「あぁ。」



虎之介は気になるのかまだぶつぶつ呟いていた。


三成は書を片付けると自分の寝具をだし、



「虎之介も早く寝ろ!!」




「そうする…」




深夜、人の気配に三成は目を覚ましたが寝具に潜り混んでいた。


紀之介は何処から帰って来たのか分からないが静かに眠りについたようだった。

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