第42話

「猿!! わしの下知を無視し、身勝手に帰陣するとは何語だ!! 馬鹿者!! どこまで付け上がつておる、追って沙汰すまで長浜で謹んでおれ!おまえをどうやって殺してくれるか、その間に考えておく!!」



その日、三成や紀之介は長浜城の窓という窓を板で塞ぐ作業をし、虎之介と市松は城門を竹矢来を結わせ門を全て閉ざした。



次の日から三成は毎日欠かさず剣術や槍の稽古を紀之介達としていた。



それに付け加え、三成は長浜城の二の丸にある秀吉の弟の小一郎の屋敷をたずねるようになっていた。





早朝に与えられている、寝所から出るとその屋敷に向かう。



羽柴家第一の重臣すまう屋敷は大きい、小一郎の近習たちのすまう長屋や厩、母屋な裏には矢場がある。



小一郎はその矢場で毎朝、弓を引くことを日課としていて三成はそれに習い弓を引く稽古をしている。


二、三十本も射ていると身体が起きてくる。


それが終わると、母屋で朝餉を小一郎に付き合い食べる。


玄米のご飯と琵琶湖で取れたシジミの味噌汁に炙った干魚と漬物だ。


小一郎は二杯目のご飯をおかわりしている。



「兄者は今日も昼まで起きまい佐吉…」

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