第39話
「上杉謙信殿と戦えとの下知ですか」
半兵衛は秀吉に確認している。
「むこうで修理殿の指示に従うことになるじゃろう」
秀吉は乗り気ではないのが聞いていた三成と紀之介にも分かった。
「謙信に上洛する気などあるものか」
秀吉は上杉謙信を世間ほど怖れていない。
「殿は上杉謙信に上洛の意志がないと考えておいでですか?」
「意志はあるかもしれんが、出来ぬじゃろう。甲斐の信玄が上洛するのとは違うじゃろう、浅井、朝倉、六角が滅んでおるんじゃからな。のお、半兵衛」
「そうですね、このまま一気に京に兵を進めるとは思えませんね。」
仮に、謙信が上洛するために京に入るには加賀、越前、近江を通らなければならないからだ。
加賀の大聖寺城、北ノ庄城、長浜城、佐和山城を攻略すると言うことになる。
軍神だろうが鬼神でもそんな妄想のような策略を上杉謙信ほどの男がするはずがない。
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