第18話

「いずれそうなるだろう?違うのか正澄の嫁になる女子だろ」




重辰が兄に彩をもらってくれと言っていたがどうなるかわからない。



彩が兄を好きなのはわかるが、そんな彩がいても正澄は白粉の匂いをさせて屋敷に帰って来るのだ。


佐吉には理解出来ない。 そのことで二人はよく口喧嘩をしているのに彩は毎日握り飯を兄のために作り、工事場まで会いに来る。




ー夏耶は今ごろどうしてるだろうな…



佐吉の分の握り飯も彩は作ってくれている。


それ口をつけた。



「佐吉は好きな女子はいないのか?わしはもう女房がおるけど」



「おります…」



「…工事の手伝いもいいが女子を放ったらかしにすると、振られぞ」




「…夏耶はそんな女子ではないです」



「夏耶って名の女子かぁーいい女か?こうで出るトコは出で?」



「そんなこと、治平殿には関係ない!!」



顔に熱くなる。


佐吉の反応がおかしく治平はからかう、



「好きな女子が出来たら褒めて褒めまくれ、そのまま押し倒してしまえばいい」

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