第17話
分からない、というのが正直なところだった。
叶多のことを異性として意識したことが、全くなかったわけではない。
雨の中、叶多が家まで送ってくれたことがあった。家に帰りたくないと弱音を吐いた私の手を、彼はギュッと握ってくれた。その時、心が大きく揺れ動くのを感じた。
でも、それはほんの一瞬のことで、それよりも家の問題の方が重くて、私はその気持ちについて深く考えなかった。
私にとって叶多は、恋愛の対象というよりも、かけがえのない大切な友達だった。
電車を降りてからは、吉木が中学時代の同級生の近況について話すのを聞き流しながら歩いて、分かれ道で別れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます