第12話

「きっかけは、わたしがカナタくんのことを女の子だと勘違いしちゃったことだったかな」

 そう答えたら、吉木はおかしそうに笑った。

「へぇ、あいつ女っぽかったんだ」

「わたしも寝ぼけてたから」

 叶多をフォローするつもりでそう付け足したけど、正直なところ、寝ぼけていなくても男の子だと分からなかったかもしれない。知り合った頃の叶多は、本当に可愛くて、女の子みたいだった。

「そんで?どーやって仲良くなったんよ?」

 しつこく訊いてくる。さっき吉木との間に空けた距離も、いつの間にか詰められている。

「廊下で会った時とかに話すようになって、家にも何回か遊びに行ってるうちに、自然とって感じ」

 掘り下げられるのも煩わしくて、適当にそう説明したけど、叶多に二回目に会った時のこともよく覚えている。

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