第5話

叶多に会えることを期待して家の近くをウロついていた自分が、馬鹿みたいだと思った。この図書館に来たのも、彼の家がすぐ近くにあるからだった。

 自分のしていたことがストーカーに思えてきて、底知れない決まりの悪さを覚えている。


 叶多に見られないようにコソコソと踏み台を持ってきて、本棚に本を戻した。

 彼と鉢合わせしないように時間を潰した後、逃げるように図書館を後にした。

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