第9話 商店街

「クラス分けの試験が再来週って・・・・・・」

「まったく、ロイドも策士だよなぁ。お前はクラス分けの試験まで個別に勉強をしてもらい、クラス分けでみんなが新しいクラスになるのとと同時に入ってもらうぞ。普通、編入生はさっきやったみたいなテストを受けて、その点数で編入先のクラスがわかるんだが・・・・・・この時期に編入するやつはそもそもいない」

「結構無茶苦茶ですね・・・・・・」

「まあお前ならやれるさ」


 僕は文句を言いながらもローズベルトさんに学園から少し離れた商店街に連れられていった。


「うわぁすごい」


 商店街、フェリシネス商店街はとても賑わっていた。村とは比べ物にならないくらいの人、帝都の屋台とはまた違った風景に心が踊った。


「まずは制服だな」


 学園指定の服屋に行くとおばあさんが一人いて制服の採寸などをしてくれた。買うものはローズベルトさんが色々と決めてくれた。


「普通の制服は二着あった方が良いし、あとローブとコートと・・・・・・」


 そうして仕立てた制服は明日、寮に届くらしい。本当に速い。


 お会計を済ませると次は教科書を買いに行った。学校の校舎くらいあるような大きな本屋に行った。取り扱っている本は数十万冊を超えるらしく、帝国内で最大級の大きさらしい。中に入ると一面が本で埋め尽くされており、僕の心がくすぐられた。


 右を見ても左を見てもどこもかしこも本で埋め尽くされている世界。本当に夢のような場所だ。教科書はその専用のスペースがあるらしく、そこで教科書をすべて揃えた。


 基本魔法全書、一般五大元素魔法のすすめ、二大元素魔法入門、複合魔法入門、帝国史など全部で一〇冊だ。そしてその中に<特別生活魔法>の活用方法、『創造魔法編』というものがあった。


 学園の授業には<特別生活魔法>の適正魔法のスキルを伸ばす授業もあるらしく、それ用の教科書だ。僕はその教科書を見て少し気分が落ち込んだ。でもこればかりはどうすることもできない。授業で同じ適性の子でもいればいいなぁなんて考えていた。


「そんな顔するな。お前は適正に関係なくすごく魔法を使えるんだから」


 そうローズベルトさんが慰めてくれた。


 そして本屋の中にある文房具のコーナーで鉛筆などを買っていった。そして外に出ると、


「アレイ。入学祝いだ」

「えっ、ありがとうございます! 」


 どこで買ってきたのかわからないが、ローズベルトさんが万年筆をくれた。万年筆は本当に高価なものでそんな簡単にもらっていいものではないと思った。


「本当にいいんですか? 」

「入学祝だと言ってるだろ」

「これすごく高いんじゃ・・・・・・」

「誰に物を言っているんだ? 俺は帝国第二警備部隊部隊長と魔法学園の副学長を兼任しているんだぞ。この帝国内でも結構なお金持ちなんだ」

「ありがとうございます」

「これから頑張れよ」


 そうして僕は学校への入学の準備をすべて終わらせた。

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