第8話 入学試験
「よう、アレイ。準備はいいか? 」
「もちろんです! 」
「よし、じゃあ行くか」
そうして僕はローズベルトさんの馬車に乗って魔法学園の校舎へと向かった。
馬車に乗って魔法学園に向かっていると、箒に乗った魔法学園の生徒がたくさん見られた。
「箒に乗ってる・・・・・・」
「ああ、あれは風属性の飛行魔法が付与された箒だな。場所を取らないし、使いやすいらしい。寮生は結構箒を使っているはずだ。」
村ではほうきを使っている人なんていなかったからこの光景は本当に不思議だった。僕も入学したら箒に乗れるのかな。
「よし、着いたぞ」
そうこう考えているうちに校舎についた。そしてそのまま教室に連れられていく。豪華で大きな門をくぐると、外側からの景色とは違ってすごく大きな校舎が見えてきた。学校の校舎には特別な視認阻害魔法や結界魔法がかけられているらしい。本当にすごいとしか言いようがない。
校舎の中に入ると大きなホールが有り、真上にはとても大きなシャンデリア。左右に大きな階段と、真ん中にはまた大きなドアがあり、その奥は講堂となっているようだった。
僕はそのままドアを入ってすぐのところ、右側の階段の前の廊下を通って小さな教室に案内された。
「よし、じゃあ頑張れよ」
ローズベルトさんから受験監督であろう先生に受け渡された。
「おはようございます」
「おはよう。アレイくん。この学校の生徒係・・・・・・いわゆる生徒の学校での生活を管理したりする仕事をしています、イルクです。よろしく」
「よろしくお願いします」
「それじゃあそこの席に座って、さっそくですが始めてもいいですか? 」
「はい」
「では、筆記用具はありますね。試験時間は一〇〇分です。それでは始めてください」
僕は鉛筆を持ち、問題冊子を開いた。
◇◆◇
「終了。お疲れ様です。結果は三日後、寮にお届けします」
長いと思われた一〇〇分は一瞬のうちに過ぎていった。テストの内容は今までの牧師さんに習っていたときのレベルとは雲泥の差で、とても難しかった。最近読んだ魔法書の内容まで事細かに出題されていた。さすが帝国最高の魔術学園だ。
まあ、行商人さんから買った魔法書の内容を覚えていれば溶けるものは結構あった。あとは結果に期待知るしかない。
でも『魔法を同時発動する方法についての考察』や、『特別生活魔法の有効な使い道』や、『特別生活魔法を一般魔法で補填する魔法』とか本当に推論でしか書くことができない問題もたくさんあった。
「おつかれ」
「ありがとうございます」
教室を出るとローズベルトさんが待っていた。警備隊の仕事とかたくさんあって忙しいだろうに本当にありがたい。
「テストはどうだったか? 」
「本当に難しかったです」
「そうだろう。なんてったってここは帝国一番の魔術学園だからな! 」
ローズベルトさんはとても誇らしそうだ。
「さて、結果は・・・・・・」
「三日後にわかるらしいです」
「そうか、俺の推薦で入学は確定しているからこれから街で必要なものを買い揃えるか」
「はい、でもお金が・・・・・・」
僕も多少のお金は持って来ているが、多分制服とかとても高いし、どう考えても足りない。
「ああ、金なら心配するな。ロイドからたんまりもらっているぞ、お前への未来の投資だ! とか言ってた。今度村に帰ったらなにか言っておくんだぞ。それと、これからの昼食代とかは後で学長と面談してもらって奨学金をもらってもらう。まあ五属性すべての魔法を使える少年に奨学金を渡さないような学長ではないしな。」
「そうなんですか! 」
牧師さんには本当に感謝しきれない。
「で、僕って入学したらどういう扱いになるんですか? 」
「ああ、そうそうお前は今一四歳だったな。一応二年生の年齢だから、二年生として入学・・・・・・いや、編入扱いとして入るな。うん。時期が時期だし、再来週がクラス分けの試験だしなぁ」
「クラス分けの試験!? 」
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