第10話 登校初日
「午前五時半をお知らせします。午前五時半をお知らせします」
まだ慣れない目覚ましのコールに起こされて学園に行く準備をする。
顔を洗って、昨日買って部屋の前に届いていた制服着替え、鞄、魔法書に杖を用意し、魔法書を読みながら朝食の時間になるのを待つ。
六時になると一階まで降りて朝食を食べる。
「マリレーナさん。おはようございます」
「アレイ君おはよう。早いわね。生徒たちは結構ギリギリまで寝ているわよ。でも早いほうがいいわ、あの子達ったらギリギリになって箒ですごいスピード出して行くんだから」
そうして朝の支度を終え、僕は校舎へと歩いて向かった。
まだ箒が使えないし結構校舎まで遠いのだが、朝早く準備したおかげで結構余裕を持って校舎についた。
まず初めのテストまでの二週間は個別に授業を受けるらしい。だから僕は昨日テストを受けた教室に向かった。
教室入り、たった一つしかない生徒用の椅子に座って先生か誰かが来るのを待つ。すると何やら人が走りながら教室に入ってきた。
「おっとっと。遅くなってしまって申し訳ないね。アレイ君かな? 」
「はい。そうです」
「私は昨日の試験監督だった先生と同じ生徒係にいます。ライドといいます。よろしく」
「よろしくお願いします! 」
「で、早速なんだが・・・・・・ついてきてくれないか? 」
「いいですけど、どこに行くんですか? 」
「学園長室だ。昨日のテストのことで少しあってね・・・・・・ まあいい。少し急ぐぞ! 」
そうして僕は教室を出て学園長室までつれられていった。その間、沢山の生徒が焦っているライド先生と僕を不思議そうに眺めていた。
中央の大きな階段を登り、廊下を進んでいくと大きな騎士の像が並んでいる場所についた。その奥には昔本で読んだことがあるドラゴンの像もあり、その中央に大きなドアがあった。
「学園長先生、アレイ君を連れてきました」
そう先生が言うとドラゴンの目がギョロっと動き、僕らを見たあとにドアが開いた。僕はドラゴンの視線に少し恐怖を感じた。
先生に促されるままに中に入っていくと、とても豪華な応接間のような部屋に着いた。そして眼の前には白いヒゲのおじいさん・・・・・・たぶん学園長先生だろう・・・・・・が豪華な椅子に座っていて、そしてこれまた豪華なソファにローズベルトさんが座っていた。
「おお、アレイよく来たな」
「ローズベルトさんなんでここに? 」
「忘れたのか? 俺はフェリネシスの副学園長だぞ」
「あっ・・・・・・ そうでした・・・・・・」
「まあいい。いま来てもらったのはお前の機能のテストに関してだ」
学園長先生と思わしき人物はニコニコしながらこちらを見ている。
「あっイルク先生」
昨日の受験監督だったイルク先生が奥から紙の束を持ってやってきた。
「では、私から説明させてもらいますね。アレイ君。あなたにAクラスへの編入を許可します」
「えっ!? 」
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