第2話
俺はパソコンの画面を睨んだ。入室しますか、という文字を見てマウスに手を伸ばした。ウイルスに感染した可能性を考えたが、外の景色と起きている現象を見て、この選択肢は特別なものだと直感した。理性は引き留めようとするが、俺はマウスを動かしてその文字をクリックしてみたのだ。
なんてことはない。文字は消えただけだった。窓の外を眺めるが、焼け野原のようになっていた。俺の家のすぐ前まで、大地が赤くなり、まるでこの世の終わりを告げているようだった。
俺は玄関までやってくると、扉を開けた。
目の前が火で燃えていた。地面から発火していて、踏み出すこともできなかったのだ。異変はその時に気づいた。どうして俺の部屋だけが無事なんだろうか。
俺はパソコンの前に急いだ。
画面はロード中になっていて、マウスの矢印が丸く点滅していたのだ。そして次の瞬間だった。
辺り一面が真っ白い部屋に変わっていた。
一瞬、天国を連想させた。天国は白いというイメージがあったからだ。それに死んだ後にどんな形で天国に行くのか、生きている人間は誰も知らないものだ。
白い部屋の中央に、机があった。俺は恐る恐る机のほうに近づいていった。紙と鉛筆があり、紙には何かが書かれていた。
アンケート用紙のようになっていて、あなたの好きな状況を選択してください、と文字が並んでいた。
第一の選択肢はこんなものだった。
古代
中世
現在
第二の選択肢は以下のものだった。
チート
マスター
フリー
第三の選択肢は以下のものだった。
正義
悪
中間
俺は上から現在、マスター、悪と選択した。
正義は面倒ごとに巻き込まれそうだが、悪は自分勝手に生きれると思ったのだ。どんな結果が待っているのか定かではないが、ここは直観に従うことにした。そしてチートとマスターで悩んだが、マスターがどんなものか気になってはいた。それに、このアンケートが何を表しているのかヒントが少なすぎて判断材料に乏しいのもある。
あなたの好きな状況っておおざっぱ過ぎるだろう。
アンケートを書き込むと、白い部屋で小一時間ほど待たされた。正直に言えば、この時間はとてもつらかった。そして気づいたら、部屋の中にいたのだ。
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