究極のラーメン

黒鯛の刺身♪

第1話……体は正直

 信二は中年のタクシー運転手だった。

 日々、夜遅くまで人を運び、真面目に汗を流していた。


 「凄くおいしい店を案内するよ」


 私は、信二に誘われラーメン屋さんに行くことになった。

 正直、もう私たちは若くない。

 内心、もう少し高い店に行きたいと思っていた。


「お待ちどうさま!」


 出てきたラーメンは何の変哲もないものだった。

 期待もせずに、ラーメンのスープをすする。


 ……私は雷に打たれたような衝撃を受けた!


 麵といいスープと言い、信じられないくらいに旨いのだ。

 もう、今まで食べてきたラーメンとは根本的に次元が違ったのだ。


「……すごい!」


「なぁ、旨いだろ?」


「う、うん」


 私は少し悔しい気持ちになったが、スープを全部飲み干した。

 そして、その晩に彼と初めて結ばれることになる。


 数日後。


「……!?」


 朝のニュースの一面は、怪しげな薬を混ぜていたラーメン屋の摘発であった。

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究極のラーメン 黒鯛の刺身♪ @sasimi-kurodai

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