第7話

目の前のゴブリンはおれの動きを注視しているようでその場に止まっている


 「そっちがその気ならおれが攻めてやるよ!」


 おれは足下にある小石をゴブリンめがけて蹴った


 「ギャア」


 ゴブリンはおれが蹴った石を避けたが、おれの狙いは当てることじゃない


 ゴブリンが石に気を取られている間に一気に間合いを詰めて腹に蹴りをいれた


 「シャーーー!」


 ゴブリンはうずくまりながらおれに向かって威嚇しているが、そんなのは関係なしに頭を掴んで地面に3回叩きつけて息の根を止めた


 うん!なんか身体能力とか色々上がった気がする!前のゴブリンとの戦いなんて、途中で先生からストップ喰らったしな


 「お疲れ様今日はここまでにしようか」


 「わかりました!」

 

 そうしておれの実力確認は終わりダンジョンを後にした、どうやら神宮司さんはこれから用事があるらしくここで解散することになった


 いやー今日は色んな事があったなー、大変だったけど、魔石も二つ回収出来たし晩御飯は少し豪華にしちゃうか!


 家について、ご飯を食べ終わった後おれは明日の引っ越しのために荷物をまとめていた。


 えっとーまず枕だろ、着替え一式だろ

・・・マジでおれ荷物持ってないな、あ、でもあれがあるか


 おれはクローゼットを開けて、小さいショーケースに入っている色褪せたヒーローのフィギュアを取り出した


 はは、これの存在を忘れるなんてな、母さんに貰った最後のプレゼントなのに・・・

 火宮家にいる時はろくに外に出れなかったから母さんが買ってきてくれたんだっけ

 こいつで遊んでると母さん一回だけ

 

 「橙悟はこのヒーローみたく勝ってくる人になるのよ」

 

 って言ってたなぁ、うーんどういう意味なんだろ、最強になれってわけじゃないだろうし


 しばらく頭を悩ませて、何もわからないことがわかった!これが無知の知ってやつだな!サンキューソクラテス!おやすみ!


 次の日


 おれは神宮司さんと学校に来ていた


 ヒソヒソ


 「あの人国宝級イケメンじゃない?」


 「モデルかな?」


 流石神宮司さんめっちゃ人目を集まるな・・・


 「兄貴めっちゃもてるっすね!」


 「ははは、勘弁してほしいね」


 そんなこんなしてると職員室に着いた


 おれはドアをノックして先生の返事をまった


 「入っていいぞ」


 「先生!こちらがおれをスカウトしてくれた神宮司さんです!」


 「ご紹介にあずかりました、神宮司新と申しますどうぞよろしくお願いいたします」


 「私は橙悟くんの担任を受け持っている青山と申します、こちらこそよろしくお願いします」


 なんか大人の会話ってかんじー話ついて来れるか不安になってきた!

 うっ緊張でお腹が・・・


 「先生・・・お腹がいたいからトイレいってもいいですか?」


 青山先生は呆れ半分笑い半分くらいで


 「行ってきなさい」


 と答えてくれた。マジ神おれに必要なのは紙いぇー・・・つまんないな、やばいふざけてたら漏れる!


────────

───────

──────


 「彼が帰って来るまで待ちますか?」


 「いやその必要はないでしょう、もとより橙悟には席を外してもらうつもりでした」


 俺の目の前の胡散臭そうな男はずっとニコニコしてやがる・・・気味の悪いやつだ


 俺は大事な教え子を死地に向かわせないようにどうにかして橙悟を諦めてもらわなくちゃな

 


 


 

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