第2話

天国の父さん母さん元気ですか?おれは今、クソデカ赤トカゲとデス鬼ごっこをしています。

───やべぇよあのトカゲ強すぎんよ。勝てるビジョンが見えねぇよ。火宮橙悟享年16歳になっちまうよ。

 運がいいことにあのトカゲは草むらに隠れているおれを見つけられていない、このまま逃げよう。

 「Gyaaaaaa!!!」

なんか叫んでるわ、おれこればれてね??

 案の定クソトカゲは火の玉を吐き出してきた。そんなに速度はないので華麗に避けると草に火が燃え移っておれの背後がものすごく燃え始めた。

 もしかしなくてもこれピンチだな?

 「しゃあねぇ腹かかるかおれ」

情報を整理しよう、あいつは火サラマンダー、危険度がSからFまである中のDランク、おれがこれまで倒したことあるのはギリギリEランク、・・・無理じゃね?


「Gyaaaaaa!」


 火サラマンダーが咆哮をして、車ぐらいの速度で突進をしてきたのでサラマンダーを踏み台にして避けて渾身の殴りをいれた!


 「Gya?」


 まるで効いてねぇ・・・そうなんだよな、おれ火力が足りねぇんだよな・・・


 嘆いても状況は変わんねぇし、突破口がないか攻撃をさけながら考えるしかないか


 おれが使える属性は風属性、使い道はさっきから使っている風を吹かせて速度をあげる方法と拳に風をのせて速くぶん殴るぐらいしかおれは出来ない、対する火サラマンダーは巨体を生かした攻撃と火の玉を吐いてくる攻撃しかしてこない。

 つまりおれの攻撃は有効打点にならないし、あいつの攻撃もおれに当たらない、

 

 このまま救援を待つか?いや周りはすでに火に囲まれていてあと数分もすれば一酸化炭素中毒でおれが死ぬ


 つまりあと数分以内でこいつを戦闘不能状態にするしかない

 あーもうどうしようおれ死ぬな!?これ!?いや弱気になるな!ここで死んだら母さん達に顔向けできねぇ!考えろ!

 

 おれが考えている間にも火サラマンダーは攻撃を重ねるがおれは攻撃をかわし続けたがついにおれは尻尾を振り回す攻撃に当たってしまった。

 

 衝撃で床に叩きつけられてうずくまっている間にも火の玉が飛んできてかろうじて避けるが、長くは続かないだろう

 

 「あーもうダメだ、おれ死ぬわ・・・」

 

 なんか腹立ってきたな、なんでこんなにボコボコにされなくちゃならないんだ。なんで茜はおれのアピールに気づかないんだ、なんで火宮家の奴らは風属性ってだけで虐げるんだ、なんで母さん達はおれを置いてあったんだ。


───決めた!こいつを殺してからおれも死のう!

 

 火サラマンダーを殺すために距離を取った。さぁ火の玉を打ってこいよ。

 おれの目論見通り火サラマンダーが火の玉を打とうとしてきたので、おれは急加速して近づいていく

 

 「!?」

 

驚いている火サラマンダーにおれは火を溜めている口の中をぶん殴った。すると口の中で火が爆発して、火サラマンダーの頭とおれの右腕が吹き飛んだ。

 

「ハハッザマァみろ」

 

 動かなくなった火サラマンダーを見ながらそう吐き捨てた。

 

 あーもうだめだな、おれの体に耐え切れないほどの加速をしたせいで足も使えないし、頭も出血でクラクラしてきた。ごめん母さん約束守れそうにないや、でも今度はずっと一緒にいれるね

 薄れゆく意識の中でそんなことを考えていた。

 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る