第7話

「まじで、92番街って聞いた時は自分の耳を疑ったよ」



「…」



「92番街を本拠地にしてるリベルテって言えば、女を取っ替え引っ替えしてるって噂だけど。”遊び相手”だっけ?」



「…」



「まさかとは思うけど、うちのミオンを”遊び相手”にしてるなんてことないよね?」



ニコニコと笑みを浮かべながらもソファで脚を組んでいるサクヤさんはとても怖い



訪れてきて開口一番に「お前ら、正座」と言ってリベルテを蹴り飛ばして強制的に正座させた時にはひぃっと声が出てしまった



そのせいで、今はソファで脚を組んでふんぞりかえるサクヤさんの隣に座る私と、その正面でちょこんっと正座をするリベルテの面白い図が出来上がったのだ




「ま、まってサクヤさん私は別に、」



「ミオンはちょっと黙ってよっか」



優しい(?)笑顔でこちらを見たサクヤさんが人差し指を私の唇にあてて「しーっ」と動作をする



お前は口を挟むなと、そういうことだ



「あの、つかぬことをお聞きしますが…。あなたはミオンの、」



「父親ね。義理だけど」



カナタがそーっと手を上げて口を開く

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