第8話

「父親…」



ぼそっと復唱したカナタの横でバッと顔を上げたハルカがサクヤさんに詰め寄った



「お義父さん!ご挨拶が遅れました、俺は宮田遥って言います。ミオンさんとお付き合いを前提に結婚したいんですけどッ、!」




「順序が逆だカス。ミオンはやらん。センスだけは褒めてやる。俺はお前のお義父さんじゃねえ」



詰め寄ってきたハルカのお腹を蹴り飛ばしたサクヤさんに全員の視線がいく



そりゃそうだよね、さっきもだけど仮にもリベルテで喧嘩なれしている奴らをいとも簡単に蹴り飛ばす大人なんて興味を惹かれるに決まってる



ぷはぁっとタバコの煙を吐き出して、携帯灰皿にタバコをしまったサクヤさんは組んでいた脚を元に戻して、膝に肘を置いて頬杖をついた




「一から全部、説明してくんね?俺も暇じゃねぇから10分以内でよろしく」



カチッと腕時計でタイマーをセットしたサクヤさんは「はい、スタート。誰が話してもいいよ。ミオン以外」と時計のスイッチを押した




「…じゃあ俺が全部説明させてもらいます」




やはりこういう時に最適なのはカナタで、周りもそれをわかっているようなのでカナタ以外だれも発言しようとはしなかった

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