第5話

サクヤさんから詳しい事情を聞かないと



スマホと睨めっこしながらなんて返信しようか考えていると、突然



プルルルルルル



【着信:咲夜さん】



サクヤさんから3度目の着信がかかってきた


なんてタイムリーなんだとびっくりしながらも、ごくりと唾を飲み込んで応答ボタンを押して「もしも…」と言いかけた時



横からひょいっと腕が伸びてきて、素早く私のスマホを掻っ攫った



「誰お前」



手にスマホがない!!と気づいた時には既に遅く、ケロっとした顔でランが私のスマホにむかって言葉を発していた




「あーあ、修羅場じゃん。ミオン、俺といちゃいちゃしよ〜」



ケタケタと笑って私に覆い被さろうとするハルカをペシッと退けて「ちょっ、ラン!!!」ランからスマホを奪い取ろうとするけれど



ひょいっ



圧倒的にリーチが足りない



くそう!と地団駄を踏みながら冷や汗をかいて、サクヤさんからの返答を待つと



『…あ”ぁ?』



半年ぶりに聞くドスの効いた声が微かに聞こえてきた。



やばい

終わったな。(ランが)



はぁっと大きなため息をついて、「サクヤさん、ごめんなさい!ちゃんと説明したいんですけど今訳あって92番街にいるんです!」



スマホの先に届くように叫ぶと、ランがチッと舌打ちをこぼした。



「そんなにこの男と喋りたいんか」



…はぁっ!?



「喋りたいもなにも、サクヤさんは私の保護者だから!!!!」

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