第3話

「…なに、誰?」



重たい体をよっこいしょと起こしてランからスマホを奪おうと試みるけれど



ひょいっ



「ばーかばーかビッチ」



私の手の届かないところにスマホを離して、代わりに悪態をつきながらちゅっと軽く私の唇にキスをした



行動と言動が伴ってないんですけど



「んーとっ、咲夜さんって書いてあるね〜」



私の代わりにランからスマホをひょいっと取ったハルカが画面を覗いてから「着信2件とメッセージ1件だって〜」私に軽く投げた




「えっ、サクヤさん…!?」



投げられたスマホを拾って、急いでメッセージを確認する



サクヤさんからの連絡ってことはきっとマンションを解約したことがバレたんだ



あそこのマンションはサクヤさんが私のためにお金を出してくれていた。

遅かれ早かれ連絡はくると思っていたけれど、思ったよりも早かった




あの人はとんでもない過保護で、私にGPSを埋め込むべきか悩んでいた時期もあったんだ(もちろん丁重にお断りした)



そんなサクヤさんの仕事はよくわからないけれど、どうやら裏の世界と繋がりがあるようで「ミオンを脅かす悪い虫は俺が処分してあげるからいつでも言ってね」とマジ顔で言われたのが半年前の話である

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