第5話
しばらく無言の空間が続いてみんな黙々と箸を動かしている。
ここの住人はみんなあまり好き嫌いをしないからありがたい。
まあ好き嫌いしようが食べさせるんだけど
「ごちそうさま〜」
そして、食べ終わったら自分の分のお皿は自分で洗ってくれる。
変なところで気がきくのでたまに物凄く驚いてしまう。
奴らにこんな配慮ができたのか、と。
1番初めに食べ終わったハルカを筆頭に、ラン、ユイトの順で席を立っていく。
そしてそのままお皿を洗い、自分たちの部屋へと戻っていく。
これから制服に着替えるんだろう
もともと彼らは真面目に高校に通っていなかったらしいけれど、最近は私の護衛もあるからなのか全員で仲良く登校している。
仲良く、と言っても私は車で送ってもらう途中でおろしてもらって彼らとの接点をまわりに感づかれないようにしているけれど
最初は途中で降りると言ったら「それじゃ一緒に行く意味がない」と散々反対されたけれど、学校のすぐ近くで降ろしてもらうし周りにも登校している生徒がちらほら見えるため誰も何もしてこないよと言えば、渋々と言った形で承諾してくれた。
私はこれ以上三神さんたちにめんどくさい絡み方をされたくないんだよほんとに
そういえば、三神さんたちは最近ものすごくおとなしい。
それはきっと私がユイトに拉致された一件以来、私と彼らが直接関わっているという目撃がないからだろうなあと思う
三神さん達の中では私はもう既に”捨てられた可哀想な子”という憐れむべき対象らしい
それもそれで癪に触るけど、まあめんどくさくはないから良いとしよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます