第3話

「お前最近なんかガード固えんだけど」



後ろから私の腰に腕をまわしてぎゅっと甘えるようにそう言ってくるランだけど、ガードの固さは本来ならもともと私に備わっていたものだ。



それをここにきて連続でヤりまくってしまったから、ラン達には押せばイケるみたいなイメージをつけてしまったのかもしれないけれど、もともとは違うんだよオニーサン




「私別にセフレとかいらないし、溜まってないから」




だから君はお呼びでないのよランくん




「んじゃあどうしたらまたヤらせてくれんの」



どうもこうもあるわけないだろうが

アホか



「ま、私がランの事好きにでもなったらヤりたいなって思うのかもね?」



ただの快楽主義者にとっては、恋愛感情なんて1番いらないめんどくさい感情なんだろうから敢えてそう言う。



恋愛を持ち出したら、この女めんどくせぇわくらいに思ってもらえないかなあなんて淡い期待を寄せる



「…へぇ」



「ま、ランは恋愛なんてめんどくさいとか言いそうだか「わかった」」



「、ん?」



気のせいだろうか、今ランが「わかった」って言ったような



「要するにお前を惚れさせればいいんだろ?」



「え、いや、」



「そしたらヤらせてくれるんだよな」



「いや…あの、ッ!?」



人の話を聞かずに喋り続けるランがかぷっと私の耳を甘噛みした



「じゃあ本気で落としに行くわ」



「っは!?!」



いや、なんでそうなるんだよ

そこは引いてくれよ



「せいぜい惚れる準備しとけよ」



そう言い残してランは気分良さそうにキッチンを出ていった。




キッチンには再び私の大きなため息が響き渡った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る