新たな家族 リックス視点

 リズのやしきでボクたちは、リズのかあさまがおむかえられた。

 そして美味おいしいゆうしょくべたあとおんせんおおきなおに、しゃってたどもぜんいんはいことったんだけど……


「どう、リックス?」


 たのしそうなリズにそうかれ、ボクはことこまる。

 ボクはいつもズュギアとアレーサのおようして、ふたはいったあとにそのおせんたく

 そしてさいに、そのみずぎょうずいをするせいかつつづいていたから、こんなすごしょかんそうなんて、そうかんたんない。


「おいずみなんてはじめてた」


 ボクがそううと、リズがさらいてる。


においはだいじょう?」

「そうえば、このくさったたまごみたいなにおいはなに?」

「おけてる、おうものにおいなんだって」

「そうなんだ……」


 へんかえしたボクは、もんおもっていたことをリズにく。


「ねぇリズ。おんせんってふくきてはいるものなの?」


 ボクとケルケとばれていたきゅうさいぐらいのいま、ブリーチズだけけた姿すがた

 リズとレリアとばれていたじゅうさいぐらいのいま、ネグリジェ姿すがた

 リズにえてとわれたからえたけど、ぼくはずっとおもっていた。

 するとリズはあきれたかおをしてボクにう。


ちがうわよ。いっしょおんせんはいるからふくてるの、リックスはわたしたちはだかみたいの?」


 そのことに、ボクはぜんりょくくびよこる。


じょうだんよ。はいれるおんせんって彼処あそこしかないの、みんなぶんよくそうようないし、みんないっしょはいりましょう?」


 そううリズはたのしそうでわいいんだけど……


 ――おんないっしょに、おずかしいからいやだなぁ……


 そんなボクに、ケルケとばれていたはなけて来た。


「おいリックスとかいうやつ。リズさまたすけてもらっておいて、リズさまのおねがけないのかよ!」


 さらに、レリアとばれていたがボクにもんう。


おとこだったら、おんなこうなおけとるもんだ。それにぶんコレ、おまえしあわせをねがってのことだしな」


 ――?

 

「どうこと?」


 ボクがレリアにそうかえすと、レリアはがおでボクにかえす。


「それはほんにんいてみな」


 そうわったレリアはおんせんかってく。

 そしてケルケはそんなレリアにいてった。


「リックス、あのね……」


 リズがそうったので、ボクはリズにかいもどす。


なに?」

じつまえかあさまからいたの。このおんせんには、わたしいちぞくかみさまるって。それとみず身体からだあらうとわるいモノをあらながせるって」


 はなしているリズはすこはずかしそうで、なんすこわいい。


「それでねリックス、えっと…… おんせんわるいモノをあらながしてしい、そして明日あしたからあたらしいちでらしてしい」


 リズのちにぼくおもう。


 ――ありがとう……

 ――そしてだましてごめんねリズ。

 ――ボクがあのかいがんったのは、きみえるとおもってたからなんだ。

 ――けっかいってったのはさいしょおどろいたけど……

 ――さんねんまえおうでのゆうかいけん……

 ――ゆうかいはんなかどもなかにし……

 ――ゆうかいはんぎゃく退たいしたボクのヒーロー……


 ボクはがおう。


「ありがとうリズ。ボクはきみえてかったよ」

ほんとうに?」

「うん。こうリズ」


 ボクがひだりすとリズはそのったので、ボクおんせんかった。

 ボクおんせんくと、レリアがりおをボクけてた。


「ちょっとレリア、いきなりなにするのよ!」


 おこるリズにレリアがう。


つないだままおんせんはいるのは、しといたほういわよ。スカートぶんいてたいへんことるから」

「レリア、ごんでパニックにってたからね」


 ケルケがそうつづけると、レリアはケルケのかおけておける。


ひとことおおい!」


 そうったレリアのかおすこおこっていた。


「ほら、アンタたちにもくわよ!」


 レリアはがおでそううと、ボクにまたおけてる。

 リズはボクのはなすとかえしをはじめた。

 そんなリズにボクはく。


「さっきかみさまるってってたけど、そんなところあそんでいの?」


 するとレリアががおこたえる。


いのよ。さんねんまえにアンジェ……リズのかあさまわれたの、『このおんせんかみさまおんなきと、どもぽいかたたちだから、じんどもさわいでもいの』って」


 ――それってぶんじんって……


 ボクがそんなことかんがえていると、レリアがムッとしたかおでボクにう。


ふくそうなかおね。そんなやつはこうしてやる」


 レリアはターゲットをボクにえおけてた。


「ほら、やしかったらはんげきしてなさい!」


 それからしばらにんでのおいがつづき、それからおんせんしばらかり、おんせんからるとおとこからさきだつしつえ、ボクとケルケはジョンのむることった。

 ちなみにまきはネグリジェ……

 そうネグリジェ……


 ――リズにこの姿すがたせたくないなぁ……


 ジョンのベッドにすわってボクがそんなことなやんでいると、あるじるジョンがにやってて、ボクにはなけた。


「リックスひとりか…… ケルケは?」

やしきたんけんしてくるそうです」

「そうか、おまえかないのか?」


 すこわらってそういてるジョンに、ボクはすこしムッとしてこたえる。


「ネグリジェ姿すがたうのはいや


 するとジョンはクスクスわらう。


「リックス、おまえもしかしてネグリジェはおんなものだとおもってないか?」

ちがうんですか?」

「ネグリジェはおとこものる。それはおれなかまるときようの、おとこものだ」

「そうなんだ、かった……」

流石さすがに、リズのふくせるわけにもかないからな。それはべつとして……」


 ジョンのことわると、ボクのまわりにかぜこりはじめた。


 ――これってたしか!


「エリズン」


 ジョンがじゅもんとなえると、ボクはかぜうごきをふうじられ、そとへとほうされた。

 そしてまえのドアが『パタン』とまると、なかからジョンのこえがする。


「リックス、すこしゲームをしよう。かんぜんりるまでにリズをけてたすけてもらえ。さもないとろうことるぞ」

「いきなりなに?」


 ボクはそうかえすが、ジョンからのへんい。


 ――しかたない……


 ボクはやしきじゅうあるまわり、リズをさがことにした。

 しばらくしてメイドさんにったので、ボクはずかしさをこらえてこえける。


「すみません……」

「あら、たしかリックスさまでしたよね? やしきたんけんですか」

「いえ、ジョン……さまからされてしまいまして。リズさまけてたすけてもらえと」


 それをいたメイドさんはクスクスわらう。


 ――なにがおかしいんだろう?


 ボクはそのもんをメイドさんにいてみる。


「あの、なにおもしろいんですか?」

「いや、ごめんなさいおきゃくさま。リックスさまよろしいんですよね」

「はい」

「それではあらためまして」


 そうったメイドさんは、がおでカーテシーをしながらボクにあいさつをする。


はじめましてリックスさま。リリィノーティスのメイド、マリアでいます」


 だからボクも、ボウ・アンド・スクレープをしながらへんかえす。


はじめましてマリア。リズのゆうじん、リックスともうします」


 ボクのあいさつわると、マリアさんはがおのまませつめいはじめる。


「リックスさまじつむかし、ジョンさまもリズさまとうさまおなことをされまして」


 ――?


「サーペンスさまなんでそんなことを?」


 おもったボクがそうかえすと、マリアさんはくびよこってからボクにう。


「それはみつです。ジョンさまときぶんひとりで如何どうにかなさっていましたが、わたしがリズさまところあんないいたしましょうか?」


 そうわれてボクはかんがえる?


 ――なにゆうるのかな?

 ――ジョンはひとりでどうにかしたんだ……


「ありがとうマリアさん。でもボクもぶんでどうにかしてみるよ」

「でしたらリズさまいまにはいらっしゃいません。ほか使つかいに、しょいてまわってみてください。わたしたちは、このろうみぎがったところります」

かった」


 ボクはそうれいってそのった。

 そしてろうみぎがると、其所そこにはむっり。それぞれのたずねてじょうせつめいすると、みんなクスクスわらって、らないとへんかえしてた。


 ――やっぱりなんるな……


 そんなことかんがえてるボクのうしろから、どもこえがする。


「リックスっけ」


 くと其所そこにはケルケがた。


「なぁ、なんでおまえがこんなところるんだ?」


 そうに、そういてるケルケにボクは経緯いきさつせつめいする。


じつは”かくかくしかじか”で……」

「リズさまなら、かいのテラスでつきてるよ」

「そうなんだ、ありがとうケルケ」


 ボクはケルケにそうれいうと、かえってベルギースさんにもれいう。


「ベルギースさんも、やすみのちゅうもうわけありませんでした」


 そしてボクはかいのテラスにすこはやあるきでかう。


「リズ」


 テラスにたボクはリズの姿すがたさがすけど……


 ――ない……

 ――ちがいかな?


 そうおもったしゅんかんとつぜんだれかのがボクのかくす。

 そしてうしろからリズのこえがする。


「だぁぁぁぁれだ?」

「リズだよね」


 ボクがそうこたえるとリズはボクのからりょうはなし、ボクはいっまえどうしてからかえる。


せいかいおもったよりはやてくれたわね」


 そううリズのことでボクはおもう。


 ――おもったより……?


「リズ、なんでこんなことしたのかおしえてくれない?」


 そうくボクに、リズはくびよこる。

 そしてすこめいわくそうにことつづけた。


わたしまれたの、もんはジョンにって」

かった。それよりボク、ジョンにされたんだけど?」

「それならわたして、かあさまからのりょうしょうてるわ」


 ――え!

「え!」


 ボクはおどろいてかんがえがくちからた。


「ダメかしら? それともほかなにあんる」


 リズはがおでボクにそうった。

 そのかおて、ボクはずかしいけどことわことあきらめる。


かった。リズがそれでいのなら」

「やった」


 そうったリズのかおほんとううれしそうで、ボクもなんすこうれしい。


「そうえばリズ?」

なに、リックス?」

「ジョンはなんで、ボクをからしたかかる?」

「それは、貴方あなた使つかいときょうせいてきはなさせるためよ。ジョンもこのやしきことったときとうさまおなことされたの。『らすなら、使つかたちときちんとコミニケーションがれないと』って」


 ――なるほど……

 ――それならぶん、ケルケもグルか……


「なるほど。だから使つかいのひとたち、ボクがジョンにからされたはなしをしたときみんなクスクスわらってたんだ」

ふたともひとかっにゴールにしないでしいわ」

「それじゃ、明日あしたジョンにれいわないとだね」


 ボクがそううと、リズはすこしたいてボクにう。


「リックス…… わたしともだちってくれる」

「ボクはもとからともだちのつもりだったけど、なんでいきなりそんなことくの?」

「ちょっとぜんれいって……」


 ――ぜんれいってジョンたちことだよね……

 ――ボクには、なかともだちえるけど……

 ――いや、ボクのえたことじゃないか……


 がおつくり、ボクはリズにひだりしてう。


かった。ボクはきみともだちだ」


 ――ボクがぞくさがための……


 するとリズはボクのり、すこずかしそうなかおう。


「ホント……」


 そんなリズに、ボクはほんしんかくしてへんをする。




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リトルレディ ~水使いの少女~ 東 蒼汰 @pn22633

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