リックス救出大作戦

「あのあかいえです、じゅんよろしいですねエリザベートさま?」


 ジョンにそううながされ、わたしかくめた。


よろしくてよ、ジョン」


 じょうではみずへびみんしゅうげている。


 ――リックス、っててね……


 みずへびひとおおおおどおりにつと、わたしたちのこしてしょうめつ

 わたしみずせんつくると、それをくちもとっててからジョンにく。


「ジョン、リックスのいえまであんないしていただけるかしら」

「イエス、マイロード」


 ジョンはかたなこしし、ボウ・アンド・スクレープをおこないながらそううとあるした。

 わたしはリックスのいえかうちゅうわたしってくろいスカーフのどもたちかくにんし、ジョンにく。


「ジョン。あのたちは?」

じんてききょうりょくしたいみたいですね」

「あんまりさせたくいのだけど?」

だいじょうですよ、いぬにんげんとのけっこにはけませんから。それよりきましたよエリザベートさま


 わたしまえには、あかいしづくりのいえ


 ――にリックスが……

 ――ってて、いまたすけてあげるから!


 わたしあかいえげんかんとびらまえつと、げんかんとびらかるくノックする。


  コン 

  コン 

  コン


 するとしばらくして、とびらけていえなかからおおがらなおばさんがた。


だれだい?」

「グッドイブニング、オールドミス。わたしはエリザベート・マーキス・リリィノーティス」


 がおでそういながらわたしはカーテシーをおこなった。

 あいじょせいはかなりげんそうだ。


 ――まぁしょたいめんむすめに、けっこんしてないおばさんってわれたらだれでもおこるわよね……


 わたしがそんなことかんがえていると、こんはジョンがおばさんにはなける。


「ミス・ズュギア。すこはなしが」

わるいけど此方こちらには、どもはなこといよ。かえっておくれ」


 しかしズュギアはそうってとびらめようとする。


じょうさまが、リックスとやくそくをしたんでかえにたんですが?」


 ジョンがさらにそううと、ズュギアはうごきをめた。


 ――なやんでいるわね。

 ――かえしてわたしほんものだったら、ぞくにリックスのことつたわるのうせいたかい。

 ――それはこのおばさんがこまるはず。


 そんなときいえなかからひげづらさんじゅうだいぐらいのおおおとこあらわれた。


わせてやれ、ズュギア」

「でもアレーサ……」

いから」


 アレーサとばれたおとこはズュギアにそううと、わたしたちいえなかまねれ、かいいっしつあんないした。


 ――れい

 ――どもみたいだけど……


すこちを、いまリックスをれてます」


 そうってドアをめアレーサとズュギアがってくと、わたしはジョンにく。


「ジョン、められたりしてない?」

だいじょうそうだ」


 ジョンはぐちのドアをめしながらそうかえしてた。


 ――ほうつくったせんえてはいない。

 ――つまり、ほうこうされてるわけでもい。


「リズ、まどそとろ」


 わたしはジョンにそうわれてちかくのまどから、ジョンといっしょそとながめる。

 するとおんぼろのからアレーサとズュギアが、リックスをれてるのがえた。


 ジョンはまどからはなれてからわたしせつめいする。


「レリアからのはなしだと、リックスは彼処あそこせいかつしてるらしい。ぶんは、だいさんしゃにリックスがつうせいかつさせていると、だまためだろう」

まえったときリックスしてかったし、上手うまかくしてるみたいね……」


 わたしまどからはなれてジョンにそうかえすと、ジョンがわたししんけんかおいてる。


「リックスにえてたとして、どうやって彼奴あいつらからリックスをはなす?」

「それはわたしかんがえがるの、あときょうりょくしてくれる」

かった、なにをすればい?」


 けいかくをジョンにはなしてからしばらく、リックスがアレーサとズュギアにれられにやってた。

 みぎのほっぺがすこれてるがする。


 ――いまは……


「リックスちゃん、デートのやくそくしたじゃない。いまからきましょう」


 わたしがおほうつくったせんし、リックスにくとみぎりょうにぎった。


「エリザベートさま?」


 おどろいてるリックスに、わたしあかるくこたえる。


「リズでいってったでしょ」


 そしてアレーサにけてく。


いわよね?」


 するとアレーサはすこなやんだあとわたしう。


「すみませんが、リックスはつかれています。いえなかでデートしていただけますか?」

「あら、貴方あなたたちぞくじゃいでしょ。リックスをてはしつれいじゃないかしら」


 わたしことにアレーサとズュギアはおどろいていた。

 それをかくにんして、わたしはリックスにたずねる。


貴方あなたはどう? わたしやくそくまもためたんだけど」

「ボクは……」


 そうつぶやいたリックスはすこき、がおわたしう。


こうリズ、デート!」

「それじゃひとおおところい!」


 わたしがそうこたえると、リックスはわたしいてはしはじめる。


 はしって、みずへびりておおどおりにやってわたしたちは、リックスがつかれてほどはしるのをめる。


「はぁ、はぁ、はぁ…… いリズ?」


 リックスのことわたしあたりをまわす。


 ――けっこうひとる。

 ――これなら……


もんだいいわ。ありがとう…… それとほっぺだいじょう、もしかしてわたしたちたからたかれたんじゃ?」

「これはリズをしんじなかったボクの所為せいうみったときほんとうことえばかった。たすけにてくれてありがとう」


 がおでそうおれいうリックスを、わたしこころからわいいとおもった。

 そしてけっしんする。


つぎさくせんまで、ほんとうにデートしましょうか」

「それはうれしいけど、『ちゃん』はもうめてよ。まえとしおなじだってったよね」

「あら、そうだったかしら」


 とぼけるわたしにリックスはムッとするが、ぐにがおもどわたしひだりす。


何所どここうか?」


 リックスがそうったちょくとおくのほうからおとここえがする。


だれかそのどもたちつかまえてくれ! リリィノーティスかたどもが、うちあずかっているどもゆうかいしようとたくらんでいるんだ!」


 わたしたちこえほうくと、こえあるじはアレーサ。

 アレーサはわたしたちにらむと、おこったりをしてわたしののしる。


むすめが、リックスをそそのかして何所どこれて心算つもりだ!」


 ――ほんとういてた。


「フフフ、ここまでおもったとおりにうごいてれるなんて」


 わたしがおで、アレーサにこころからそうった。


なにがおかしい!」

にせきつねさん、こんなところさわこしてだいじょうなの?」

「おまえこそだいじょうなのか。おとこほうたおしたぞ」

「あらら、それはたいへんだわ」


 わたしはわざと、鹿にするようにそうった。

 そしてリックスがわたしつよにぎったことき、わたしはリックスにかってがおう。


しんぱいしないで、わたしほう使つかえるのってるでしょう」

「それはってる。でもアレーサもほう使つかえるんだ」


 ――なるほど……

 ――でもわたしは……


だいじょうよリックス、すこはなれてて」

「そのむすめとおりだ、したくなかったらこっちにもどってい!」


 アレーサのことで、リックスはわたしうしろへどうする。


きらわれてるわね貴方あなた


 わたしことで、アレーサのかおいかりがかぶと、、うしろからどもこえがする。


「リズさま、このはオイラたちまもっています」


 それとどうにリックスのわたしからはなれた。


「まだなかやがったのか」


 アレーサはそううと、じゅもんえいしょうはじめた。


あかうろこのトカゲよ。なんじちからわれし、てきやしつくせ! ファイヤーボール!」


 えいしょうわるとともに、きゅうわたしかってんでる。


 ――ていきゅうね……


「アクウォー」


 わたしまえみずかべつくした。

 するときゅうみずかべたり『ジュ』とおとえる。


「あら。げんようですよ、ミスターアレーサ」


 がおでそうわたしに、アレーサはなぐかってた。

 でもみずかべがそれをはばむ。


「レディにげるなんて、ジェントルのかざかみにもけませんわ」

だまれこのぎつね。リックスを如何どうする心算つもりだ!」

ぎゃくたいされてるともだちたすけるのに、ゆうりまして」

うそくな!」


 アレーサはそうると、みずかべかいしてわたしつかまえようとする。

 わたしみずかべし、ごろもちからちゅういてちかくのげた。


おにさんこちら、ほうへ」

りていクソガキ!」


 そうっておこるアレーサを無視して、わたしそらからあたりをわたす。


 ――アレは……

 ――そろそろぎわね。


 わたしじょうりると、アレーサにカーテシーをしてう。


「ディナーにおくれるとわるいので、そろそろおいとまさせていただきますわ」

がすとおもうか?」

げられるとかくしんしているから、あいさつしていますのよ」

調ちょうるなよむすめ。おまえほんものだろうがにせものだろうが、こんなことをしたら……」


 そこまでったアレーサのくびに、ジョンのかたなきらめく。

 わたしいているうちに、ジョンがうしろからちかいていた。


如何どうなるんでしょうか?」


 ジョンがそううと、アレーサはすこおどろいたかおう。


「てめぇ、ぶんなぐってしなってたはずじゃ……」

ざんねんながら、なぐられるりはれてましてね」

「ジョン、だいじょう?」


 わたしがそうくと、ジョンはがおへんかえす。


もんだいりません。それよりリックスは?」

いぬいっしょにいるわ」

「それじゃ、そろそろかえりますか? これだけやれば、ほかぞくたちうわさるでしょう」


 そういながらジョンはアレーサからはなれた。

 するとアレーサはジョンにかってく。


「ズュギアは?」

ねむってるよ」

「そうか……」


 つぎしゅんかん、アレーサはジョンにタックルをした。

 ジョンはそれをかわしたけど、アレーサはそのままげてく。


て、おまえにはまだ……」


 そうってジョンがアレーサをめようとしたとき……


 ――!


 わたしきょだいりょくかんじ、どうに……


  ズーゴン


 かみなり何所どこかにちた。

 そしてそのしょぐにかった。


 ――ズュギアのいえあたりからくろくもが……

 ――もしかして!


 それからまたきょだいりょくかんじ……


  ズーゴン


 アーレサにかみなりちる!


「ギャァァァァァァァ!」


 めいけてるアレーサはきているみたいだけど、わたしおどろいてただそれをめていた。


  パァカラ

  パァカラ

  パァカラ


 ひずめおとわたしわれかえると、レリアがうんてんしているしゃわたしたちちかくにまる。

 そしてあわてた調ちょうでレリアが、わたしたちう。


せつめいはしりながらする。ふたともやくって!」


 するとジョンがレリアにう。


「だったらおれわる。ればいのか?」

「おねがいリーダー!」


 レリアはそううとしゃり、わたしいっしょくるまぶんった。

 くるまぶんには、いぬふたとリックスがた。


「はいや」


 ジョンのことしゃうごすと、レリアがせつめいはじめる。


「オイラたちはリーダーにわれたとおり、このしゃでリズさまかえにこうとしたんだ。そうしたらてつめんかぶったどもかみなりほうおそわれて、いま近衛このえへいわれてる」


 わたしはそのことかくにんするためしゃこうほうかくにんした。

 たしかに近衛このえへいうましゃけてている。


 ――わたしこしたさわぎでっててる……

 ――いいえ、レリアのはなしからするとちがうわね。

 ――てつめんどもらいってところかしら?


 わたしがそんなことかんがえていると、ジョンがおおごえう。


「おまえたちなにかにつかまってろ!」

 

  ズーゴン


 おおきなおとともに、あたりがいっしゅんしろわる。


「ギャァァァァァァァ!」


 それとどうに、近衛このえへいめいこえた。

 わたし近衛このえへいようかくにんすると、ってていた近衛このえへいたちすうめいうまいっしょたおれている。

 その所為せいか、ほか近衛このえへいたちうごきをめていた。


 そしてわたしたちは、そのままおうデウスホルトゥスをあとにした。



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