ジョンからの知らせ

「エリザベートさますこはなしが」


 リックスとってからみっ

 わたしやしきでジョンにそうはなけられた。


「どうしたのジョン?」

ではなんですので、エリザベートさまはないたします」


 そしてわたしかされたないようが……


「リックスがぎゃくたいされてる!」


 おおこえでそうさけんだわたしをジョンがおこる。


ちはかるが、ごえがデカい。だれかにかれたら如何どうする」

「ゴメンなさい。でもそれホントなの?」

「あのあとっていぬらべてもらった。じつはリックスをあずかっているおんなが、リックスのよういくおとこみついでるみたいでな。さらにそのおとこいっしょにリックスにぼうりょくるってるらしい」


 ――いてるだけでぶんわるる。

 ――でもなんで……


「ねぇジョン。なんでリックスはそのひとたちからげないの?」

「それは、ぞくとのつながりがくなるからだそうだ。いまいえからげれば、リックスのぞくはリックスのしょからなくる」


 ――そんな……

 ――だからって!


「どうにかならないのジョン? いぬたすけられない!」

「リックスがぞくのうせいじょういぬじゃたいしょだ。だからリズにこのはなしをしてるんだ」


 ――どうう……

 ――あっそっか!


 わたしはジョンのことかいした。


わたしがリックスをたすければいのね! リリィノーティスそうひとむすめこうどうに、もんえるぞくはそうない。そしてわたしもんってぞくが……」

「リックスのぞくことだろうな」


 そうったジョンは、すこもうわけなさそうなかおことつづける。


わるいリズ、おれたちちから如何どうにかなくて」


 そんなジョンにわたしう。


「いいのよジョン。それより、クソババアのじろはやなぐみにきましょう」


 するとはいからおにこえがする。


ほんとうことでも、くちわるいわよリズ」


 わたしこえほうおそおそくと、かあさまがドアをわたしはいってた。

 かおわらっている。


 ――まずい!


かあさまなにようかしら?」

むすめおおごえこえたから、って」


 ――どうしよう……

 ――かあさまはんたいされたら……

 ――ちがうわね……


 わたしかおつくり、かあさまめてう。


わたしともだちたすけにきた……」


 そこまでってわたしくびよこり、ことえらなおしてさいう。


わたしともだちたすけにくの、だからわたしめないでかあさま!」


 するとかあさまは、わたしあたまかるでた。


 ――?


かんちがいしないでリズ。だんのおてんはともかく、ともだちたすけるのをじゃするいわ」

「ホント?」

「そのまえはなしていたでしょう? わたしきょうったのよ、ジョンがい貴女あなたせいきょうったのもるけど」

「そううんじゃ……」

「そうことにしてあげるわリズ。リックスのところへはわたしおくってあげるから、すこしドレスアップしましょうか?」


 かあさまのこのことにジョンがかえす。


「アンジェリカさまなにさる心算つもりですか?」

「せっかくのむすめたいですもの。それにリックスのぞくけるにも、きゅうしゅつげきほういでしょ?」


 そしてわたしかあさましょうしつかい、かあさまになされるがままドレスをせられかみがたととのえられた。


 ドレスはくろで、ひがしいきふくそうして2でったようもの

 ごろもとかとかう、ほそながはんとうめいいっぽんぬのを、りょううでにクルクル。

 ドレスにはもんしらへびしら百合ゆりがらり、かみたしせんけいってめずらしいかみがた

 かみぎょくかみめでめ、もとにはべに


「これ、かあさまいちぞくんでるほうしょうよね?」


 もんかんわたしがそうくと、かあさまがおせつめいをする。


「ドレスはこのいきけにえているけどね。べついき姿すがたなんて、ことちがいないわよ」


 ――それはそうだけど……


かあさまなにべつたくらんでない?」

所為せいよ。さてリズ、さきにジョンといっしょにわっててくれる。ジョンにもわたしたいものるの」

「……かった」


 わたしはそうってジョンのわたしもどり、ジョンといっしょにわかった。


かあさまおそい……」


 しばらくして、にわかあさまわたしがそうつぶやくと、ジョンはしんけんかおわたしう。


「おまえしないようばんぜんじゅんをしてくださっているんだ、もんうな。おまえいていみたいだけど、そのながいヤツとかみかざだぞ」


 ――!?


 そんなことわたしおどろきジョンにく。


「それホント?」

「あぁりょくかんじるし、ほんんだことる。そのごろもそらためものためしにりょくわせてみな」


 わたしはジョンのとおり、ごろもすこりょくあたえてみた。

 すると……


「わっ、身体からだいてる! おもしろい」

かみかざりのほうぶんジェダイトだし、せいめいりょくかんするタリスマンかアミュレットだろう」

「そうえばかあさまむかし、そんなことってたがする」

「……リズ。リックスをたすけにくとして、リックスがおまえたすけをこばんだらどうする?」


 しんけんかおでそうたずねてたジョンに、わたしかんがえる。


 ――たしかに……

 ――リックスがほんとうに、わたしことしんじているとはかぎらない。

 ――らずのおんなことより、ぎゃくたいされてもあずおやしんじるかもしれない。

 ――それでもわたしは……


「それでもたすけにくし、いやだとわれてもこのやしきってる」

あいわらずだなおまえは、だからおれもこのはなしをしたんだがな」


 ジョンのことわると、はいからかあさまこえがする。


かくまったかしら?」


 わたしこえほうくと、すこおこった調ちょうもんう。


かあさまおそい!」

めんなさい」


 そうあやまったかあさまはジョンにかおけ、っていたさやはいったたんけんようものを、ジョンにわたした。


「これあげるから、ふたまもってちょうだい


 ジョンはそのさやはいったたんけんようものると、おどろいたかおをしてかあさまかえす。


「アンジェリカさまいぬわたしがこのようものは……」

「そのはんのうだと、わたしつたわったみたいね。むすめじゅうしゃどもじゃかっこうかないでしょう」

「ですがわたしは……」


 こまってジョンはわたしかおると、しんけんかおつくってかあさまかってひざまずき、へんをする。


「イエス、ユア、ハイネス」


 ――どうことかしら?


 わたしおもいジョンにく。


「ジョン、なんはなし」


 でも、こたえたのはかあさま


「ジョンにはそろそろいぬそつぎょうして、ほんとうじゅうしゃってもらおうとおもってね」

なにそれ?」


 わたしかえすと、こんはジョンがこたえる。


あとおしえますよ」

「それじゃしゃようしましょうか」


 かあさまはそううと、そらけてりょうをかざしじゅもんとなえる。


「シオウ・ミオオモ」


 するとわたしたちじょうに、きょだいみずへびあらわれた。


 ――!

 ――しょみんいえおなじぐらいる。


 おどろいてことないわたしに、かあさませつめいはじめる。


「リズ、ジョン。貴方あなたたちにははじめてせるわね、これがわたしいちぞくせいじゅうしたほうよ」


 とせつめいされても、わたしおどろいてこえない。


「ちょっとふたともなにへんちょうだい!」


 すこおこっているかあさまにジョンがく。


「すみません、アンジェリカさま。これたしみずちとかうんでしたっけ?」

みずちなんってたわねジョン。このもととはべつかみなんだけど」

じょうさまほんました」


 ――そんなほんあったっけ?


わたしらない」

「リズ、貴女あなたねぇ…… もうすこぶんいちぞくんでいるくにに、きょうってもいんじゃないかしら?」


 ――がおだけどかあさまないしんわたしあきれてるがする。


「ごめんなさいかあさまかえったらそのほんんでるわ」

「そうしてちょうだいわたしほうどうていのモノつくれないと、うちいちぞくけっこんないんだから」


 ――え!


「それ、はじめてくわよ!」

はじめてったもの」


 がおでそうったかあさまは、さらことつづける。


「リズ、その調ちょうならしっぱいしなさそうね」

なんこと?」

にしなくていわ。おてんほどほどぞくらしくがんってね。それとかえりは……――」


 そんなかあさまことをジョンがさえぎる。


「それは此方こちらはいみです。ディナーまでにはもどりますので、いぬたちぶんねがいします」

かりました」


 かあさまへんえると、わたしとジョンをえんじょうみずかべつつむ。

 そしてそれをきょだいみずへびが、やしたうででそのみずかべ使つかみ、何所どこかへどうはじめた。


 ――うでえた!

 ――いやそれより……


 わたしはジョンにく。


「もしかしてこのままリックスのところくの?」

「だろうな。ちまくるけどだいじょうかリズ?」

だいじょうわたしはサロンの大人おとなたちにがなだけだし。リリィノーティスじないいをしてあげる」

どもさらいのことじゃないな」


 そうってクスクスわらうジョンに、わたしかおかえす。


ひときがわるい、ともだちたすけにくのよ」


 わったわたしは、もんあたまかびジョンにたずねる。


「このへびがリックスのところかってるってことは、かあさまもリックスのんでるところってるってことよね。なんで?」

ぶんまえからはなしをいて、おれとはべつ調しらべたんだろうな。まぁぶんけっかいしんにゅうされたんだし、とうぜんだろ?」

「あっ、そうか!」


 そうったわたしは、ジョンのったけんようものった。


「ジョン。そのけんみたいなのなに?」

「あぁコレは、ひがしほうけんひとつ。たしかたなったはず

れいかざりね、さわらせて」

おんなものじゃいからダメだ。せめてひとほうちょう使つかえてからだ」

なによケチ!」


 わたしはムッとするが、そんなわたしにジョンはかおせつめいはじめる。


「リズのいちぞくくにでは、このかたなこと大人おとなおとこあかしなんだ」

「そうえばかあさまも、どもじゃかっこうかないってってたわね? それじゃかあさまに、大人おとなとしてみとめられたってこと!」

「いや、ぶんちがう」


 ――?


なによそれ?」

「おまえにはまだからなくてことだ」

ぶんだってどもくせに、わたしどもあつかいしないでよ!」


 ――なんぶんわるいわ……

 でもなんか、ジョンのようがおかしいがするんだけど?


どもどもわれたらおしまいだな。ほらリズ、リックスがんでるおうえてた」


 ジョンがそうったので、わたしはジョンがているほうこうせんけた。

 このくにちゅうしんにして、このくにさいきょうにんげんはいしているみやこ……


 おうデウスホルトゥス。



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