【短評2】1000~2000字まで/16作品
〖1000~2000字の作品の傾向〗
祠壊しに合わせて一発ネタをやろう、と閃いたものをそのまま素直に書いた作品が多いという印象です。ここからもう少し捻ると優れた作品が生まれるかもしれません。「ひとつの事象」を簡潔に記した作品はインパクトがあり、大変面白く読めました。
1【近所の公園に行ったんやけど/おくとりょう】その他:1,056字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086794675134
〇「祠が壊れた」と泣く子と一緒にどろあそびをする話です。
☆祠を壊すシーンは一切出てこないのですが、シュールな幕切れに想像する余地が広がってとても愉快な掌編だと思いました。最後笑っちゃった。
2【壊しても死なない祠/牧瀬実那】ホラー:1,081字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086716692566
〇祠に捉えられたおじさんが呪いの内容を語る話です。
☆淡々とした語りの中に主人公の運命がぎゅっと詰まっているのがよかったです。それから、全部読んでから概要欄を読むと本当にブラックでよかったです。頑張れブラックベルト!
3【わざと祠を壊して直す/ぴのこ】ホラー:1,221字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086516424879
〇祠をひとつに統合するために複数の祠を一気に解体する話です。
☆派手にぶっ壊される祠の他に、報告書風の文体に人を人とも思わない非情さが印象に残る作品でした。ドカンと景気がよくていいですね。
4【祠を壊しちゃったカンジ/白里りこ】現ファン:1,307字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086664473520
〇祠を壊したら現れた天使に導かれる話です。
☆錫杖といういかついワードが面白く、めでたしめでたしっぽく終わっても壊された祠の主からしたらただ理不尽なだけという読後感が面白かったです。
5【祠破壊RTA/@akahara_rin】ホラー:1,313字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086526638994
〇RTAのタイムを縮めるためにあれこれ試行錯誤している主人公の話です。
☆理不尽な理由で祠を壊される村が気の毒で仕方がないですね。もう一度読むと、村人の台詞の味わいが変わって大好きです。
6【せーの!で斧を振り上げて/湾野薄暗】ホラー:1,454字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086757188441
〇儀式で殺されるらしい幼馴染を助けるために祠を壊しに行った主人公の話です。
☆しかし祠を壊したことで全てが台無しになり、最終的に不穏な空気のまま終わる幕切れが主人公の未来を暗示していてよかったです。
7【祠ョーシカ/こくまろ】ホラー:1,472字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086563604692
〇祠を開けたらまた祠、また祠……と永遠に続いていく祠の話です。
☆祠を壊した後の訳のわからなさもいいのですが、何かに憑りつかれたように祠を開け続ける主人公の不気味さもナイスホラーでした。主人公が何をしているかわからないっていいですね。
8【読まなければよかった/奈那美】ホラー:1,560字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086946753523
〇祠参りを苦痛に思う主人公の話です。
☆誰かしっかり説明すればよかったのにと思うと、祠に祀られていた怪異よりも人間関係の希薄さが恐ろしいですね。ちゃんと説明さえあれば誰も不幸にならなかったかもしれないと思うと悔しいですね。
9【あの祠を壊したのは君かい? 少年/鈴北るい】ホラー:1,661字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086601990998
〇祠を壊した少年にお姉さんが説教する話です。
☆祠を壊してしまって登場する怪異より、祠の成り立ちが一番ホラーというのがいいですね。動機がわからないということはいつだって怖いと思いました。
10【ほこら/ぽぽ】ホラー:1,663字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086631783436
〇祠に祀られているのは良い神様だと信じている少年の話です。
☆ダミーとして「もうひとつの宗教」が登場しているのがとても気になりました。そっちのほうが邪神っぽかったのかな?
11【二人の逃避行/山野エル】歴伝:1,787字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086821718536
〇祠を壊した弟を責める姉の話です。
☆何故この二人は切羽詰まったように話しているのかとドキドキして読み進めて、最後まで読んでもう一度最初から読みたくなるお話でした。姉弟いいですね!
12【流行りの祠ネタ/ノエ丸】ホラー:1,798字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086630452437
〇祠を壊したら最終的に村が壊滅する話です。
☆最後に残されてしまった主人公がちょっと可哀想ですね。タイトル通り「流行を取り入れるぞ!」という意気込みが強く伝わってきました。
13【ノスタルジック祠壊し/不労つぴ】ホラー:1,866字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086672305775
〇祠を壊さないと死なない少年の話です。
☆「バケモンにはバケモンぶつけんだよ!」の理屈ですが、壊すたびに絡み合う因果が更に少年の望みを遠ざけてしまい、そこが残酷で後味が絶妙に悪くてよかったです。
14【あ、こんなところに祠がー(棒読み)/色葉みと】現ファン:1,960字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086942149920
〇祠を壊すことが目的になった少年の話です。
☆祠壊しのミームに乗っていることを本文でもメタに取り扱っている面白い作品だと思いました。是非この機会に因習村のミームにたくさん触れてほしいです。
15【【あの祠チャレンジ】お前、あの祠壊したんか…/猫山鈴助】現ファン:1,980字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086721919522
〇祠を壊した少年と守護者の爺さんのガチバトルの話です。
☆エージェント少年の殺意の高さと戦う爺さんのかっこよさがいいですね。オチもきれいでよかったです。
16【故郷の祠、苛立ちの里帰り/カルア】ホラー:1,992字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086530548270
〇置き去りにされた廃村の祟る祠の話です。
☆真に怖いのは評判を下げるために書き込みの代行を雇ったり重機を持ち込もうという狂気に取りつかれたような破壊者ですね。祠の影響力でしょうか。
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