3

「ヒスイ!」

「ひぃ君!」


懐かしい夢を見た。


「ザクロ!ルリちゃん!」


まだ幼い頃、近所の公園で三人で遊ぶ夢だ。


同い年の柘榴とその妹である琉璃ちゃんとは此処で出会った。


『なぁ、一緒に遊ばん?』


『いいの……?』


初めて声を掛けた時、柘榴は躊躇いがちに呟き、その背後で柘榴の背中にしがみつきながら琉璃ちゃんは様子を伺っていた。


『だって皆で遊んだ方が楽しいじゃん!』


ニッと笑って二人を誘うと、二人は顔を見合わせながら笑った。


『うん!』


『遊ぼう!』


オレ達はそれから一緒に遊ぶ様になった。


毎日公園でおちあっては、空がオレンジ色に染まるまで遊んだ。


「ねぇ、ひぃ君」

「なぁに?ルリちゃん」

「これからもワタシたちと仲良くしてくれる?」

「当たり前だろ!」

「ほんと?」

「ザクロとルリちゃんはオレの友達なんだから!」


彼女は嬉しそうに笑っていた。


柘榴もオレも三人で──────。

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