第4話
『なるほどね~。』
そう言って980円のAランチのメインメニュー、チキン南蛮を一口サイズに分けて口の中に運ぶ美鈴さん。お箸を上品に使うその仕草も美しい…。
『確かに結婚して12年。色々あったな…。特に結婚して3年~4年目くらい?ちょっとセックスレスの時期があってさ。』
『美鈴さんにもそんな時期があったんですね…。』
『なんと言うか一緒に住みだすと素をさらけ出すじゃない?素っ裸も見慣れてしまい、色気や可愛さ維持にも限界がある。それで、どんどん恋人が家族になっていく。よって夜の営みがどんどん減っていく…。』
『まさにそうなんです!まさに今、私たち夜の営みがないし、刺激もない!家族なんです。章吾に女として見られてないのかなって…。』
私は前のめりになって美鈴さんに訴えるように言った。そんな私と違い美鈴さんは相変わらず冷静で水をグイットのみ干した。
『それは栞ちゃんにも原因あるわね~。最近いつ下着買い替えた?』
『買い替え!?3年前かな…。』
『毛玉とかパンツについてない?』
『えっーと…。』
『下着一つでもそう。よれよれで見慣れた下着をずっとつけてちゃだめよ。5着下着あったとしても、30日÷5着=6回。6回が12カ月で72回洗濯で…3年だったら216回洗ったら繊維ボロボロよ…。色気もだけど魅力ある女性には見えないんじゃない?』
『確かに…。そろそろ買い替えなきゃ…。』
私はスマホのメモ機能でやることリストを作り、美鈴さんの話を順番にメモし始めた。
『まぁ。下着買い替えなくなるのは分かるよ。夜の営みが減ると下着そこまで変えなくていいかってなるよね』
『そうなんですよね…。脱ぐことなくなるから、まぁいっかどうせ脱がないしって…。』
私はため息混じりに食べかけのハンバーグを頬張った。デミグラスソースが最強ーっ!私は豪快におしぼりで口元を拭いた。
『…。ねぇ。良いところ教えてあげるよ。』
『えっ!?何ですか?』
『若返り間違いなし!魔法の夜の館♪』
『えっ!どこですか!?』
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