第3話 カップル


H小学校に勤めるポニテは恋人の塾講師ダーフと中京競馬場のオーロラビジョンでJCを観戦した後、名古屋市内に戻ってきた


「負けたから質素に行こう」

「そうだね」

「味噌カツか味噌煮込みうどん、きしめんでもいいな」

「うん、あそこは」


2人は地場で愛される台湾ラーメンを食した


「うまかったな」

「うん、舌がヒリヒリする」

「なあ、この辺に新しくBARができたらしい」

「そうなの」

「ちょっと一杯だけどうだ」

「うん、いいよ」


ダーフがスマートフォンで検索をした

繁華街を移動してBARが入っている雑居ビルにたどり着いた


「4階だ、行こう」

「H BAR?」

「ああ、行こう」


エレベーターに乗り込んだ


「いらっしゃいませ」

「あっ2人なんですけど」

「こちらへどうぞ」


カウンター席に案内された

店内は1組のカップルがテーブルに着いていて、1人の客が2名、各々カウンターに座っていた


ダーフはテキーラサンライズを注文した

ポニテはモーツァルトミルクを注文した


「当店はお1人様につき、2杯までと決まっております」

代表のC子が2人に話しかけた

「そうなんですか、大丈夫です。軽く1杯だけ飲ってこうと思っていたので」

「そうでしたか。あとカクテルは出来るだけアルコール度数を軽めにお作り致しますので、宜しくお願い致します」

「あっそうですか。お店の前の黒板に書いてあったあれですね」


ポニテがC子に尋ねる

「どうして何ですか。アルコール度数弱めとか1人2杯までとか」

「ええ、私共のH BARは女性のみで運営させていただいておりますので。ほろ酔いを1つのコンセプトにしています」

「そうですか」

「ええ、酔いすぎて悪い男に持ち帰られてもアレですので」

「あゝ、そうですか」

C子とポニテが仲良くダーフに視線をやると、

「いや、僕はそういうのではないので!彼女とはちゃんと付き合ってますし」


ポニテが微笑して

「ママさんの体験談ですか」

「ええ、私も若い頃は酔いすぎて過ちを・・」

「なるほど」

「なんて、ね」

なんて会話を3人で交わして


「どうぞ」

T子がテキーラサンライズを

M子がモーツァルトミルクを

同時にサーブした


ママが外して

2人は囁き合いながらカクテルとドライフルーツを愉しんだ


「ありがとうございます」


会計を済ましてC子と互いに会釈を交わした

レジカウンターに置かれた小さな植木鉢のセントポーリアが二人の小さな愛を祝福した




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#C子

#M子

#T子

#カクテルアルファベット

#20241125

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カクテルアルファベット ハミル @hamiru0815

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