第4期 とある門へ至る物語

ねじまき式観測隊

物語の始まりの物語

 無辜の魂よ。私は貴女に罪なき罰を与えてしまった。貴女はただ、風を揺蕩い流れていただけだったのに。ただ、私の目の前に居ただけで貴女は罪を背負ってしまった。

 純粋な魂よ。貴女の演じた舞台は素晴らしかった。貴女は私が愛したモノの為に必死に演じてくれた。貴女のその努力。私は、それを神業。と評価した。

 愛する魂よ。私の所為でごめんなさい。私が、深淵に魅入られてしまったが故にごめんなさい。貴女は酷い目に遭ってしまった。それでも、貴女は誰よりも強かに咲き誇った。地上で一番美しい花だった。


 貴女はもう、その重すぎた使命から抜け出せた。貴女は自由に生きなさい。私はそう望む……。自由を望まれて自由に生きる。というのは本当にそれが自由かは私には分からない。けれども、貴女は自由に愛されるべきよ。

 私は、貴女を愛している。貴女は皆に愛されるべき。だから、泣かないで。貴女は、貴女らしく生きればいいの。


 

 誰よりも慈悲深く民を愛する女神よ。永遠に……


────誰かが『偽の風女神』に宛てた手紙より

 

 

『さぁ、貴女は運命の糸によって絡め取られ奪われたものを見つける為にどう抗うの?』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年10月15日 17:00
2024年10月16日 17:00

第4期 とある門へ至る物語 ねじまき式観測隊 @Utotsuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画