第2話 混沌街へ

「待ってください、この先は混沌街ですよ!?」

白衣の少女、Xに言われるがまま着いてきた場所は

この巨大都市、レヴルートのスラム街と呼ばれる『混沌街』だった。


この巨大都市は真ん中に近づけば近づくほど

治安が悪くなっていくのだ。


この先は、いつ犯罪に巻き込まれてもおかしくない場所。


「死にたいのはやまやまですけど、命を売るのは

絶対に嫌です…!!」

とどうにか混沌街の入り口から離れようとする


だがXに腕を引っ張られ、

「大丈夫だ、ここはまだ入り口付近、ここらで犯罪に巻き込まれる事はそうそうないし命を売るとは言ってないぞ。」

Xはなぜか自信満々に言う


「絶対にうそ…ですよ…ね!!」

Xを引きずって入り口から離れる


「まて、わかったわかったよ!事情を話すから……!」

Xは怜を必死に引き留めようとし、続けて


「私は能力の研究をしている!君には能力を付与する実験がしたいのだよ!!」

と言う


『実験』と言う単語が聞こえた気がするが問題はそこではない


「能力の付与…?」

Xに尋ねると


「あぁ、そうだとも『能力の付与』!」

「無能力者を能力者にする研究を行っているのだよ!」

怜の方を見つめ

「君はどうやら無能力者である事になにかあって飛び降りをしようとしたと見える!」

とXは引きずられながら必死に答える


「………」

怜は図星を突かれ、立ち止まる


「どうだい、私の勘はよく当たるのだよ」

ゴーグルをかけ直しながらXは言う


「ほら、おいで。痛い事はしないから。」

Xは怜の背中を優しく押す


『能力の付与』と言う言葉を聞いたからには戻れない。


「はい…分かりました………」

そのまま混沌街の入り口へ連れていかれる





そして幾つかの路地を超え、辿り着いたのは…





「リサイクルショップ………?」


怜の目の前には紫色に塗られ、

大きなネオンの看板には

【リサイクルショップ】シークレットロマン

と書かれている

見るも怪しい建物があった。


Xはそんな怪しい建物の扉を開き、

「ささ、はいりたまえよ。」

と怜を手招く


(こんな場所、大丈夫かな……)

不安になりながらも、怜は誘導され建物の中に入っていく。


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