第1080話 *ラダリオン*
朝になり目標地点に向けて出発した。
あたしはリーダーとかに向いてないので、マーダ組はタダオンに任せてある。
目標地点までは五十キロくらいあるので、二十キロ走ったら一時間の休憩を挟むことにする。
「靴、慣れない?」
あたしには二十キロくらい余裕で走れる。タダオンたちも息は切らしてないけど、少し汗をかいていた。走り難いのかな?
「いや、問題ない。逆に走りやすくて調子がつかめないくらいだな」
確かに粗末な靴からタクティカルブーツを履くと感覚が狂ってしまう。あたしも最初は快適すぎて歩きすぎたものだ。
「じゃあ、次の休憩は二時間にして体の調子を整えて、目標地点に着いたら即戦闘にしよう」
二十キロでそんなに体力は消耗してないのなら十キロ走って即戦闘でも問題はないでしょうよ。
「ああ、問題ない。ただ、次の休憩でもう一度と試し撃ちをさせてくれ」
タダオンたちにはベネリM4とリンクスを持たせた。
別に剣や槍でも構わないが、巨人にはゴブリンが小さすぎる。あたしみたいに鼻がいいならまだしもタダオンたちはそんなに鼻はよくない。木々の中に隠れられたら見つけるのは困難でしょう。
ゴブリン相手ならショットガンは向いている。散弾なら広範囲にばら撒けて木々ごと吹き飛ばしてくれる。今回はバデットゴーレムもいるので効果はあるはずだ。
リンクスは万が一だ。巨大生物が現れたときのため。リンクスを気に入ったソルスクスに持たせた。
「わかった」
休憩が終わったら出発。また二十キロ走ったら休憩に三十分。練習に一時間。手入れと補給で三十分。エネルギー補給をしたら残りを駆け抜けた。
あたしはプランデットは使えないけど、方位磁石が必要ないくらい方向感覚は優れている。ばっちり目標地点に到着できた。
「バデットゴーレムは情報とおり十体! 完膚なきまで破壊しろ!」
ランティアックに現れたのと同じ。ただ大きいだけの存在。だが、人間にしたらその巨体は脅威だ。城壁を壊すくらいはやって退けるだろう。
タカトの予想ではバデットゴーレムは人間の死体で作られている。核みたいなものを壊さない限り、再生するかもしれないとのことだった。
核がなんなのかわからないけど、すべてを粉々にしてやればいいだけのこと。難しいことはなにもない。
AAー12を使うほどでもないが、変なものを出されても困る。先手必勝、反撃など許さないよう散弾を食らわせてやる。
近いのはタダオンたちに任せ、あたしは一番遠くにいるのを目指した。
「武器を持っているヤツまでいるのか」
まあ、死体を集めただけのもの。強度がないのだから武器くらい持たせないと壁を破ることもできないか。
「その武器もらうよ」
なかなかよさげな剣を持っている。戦利品とさせてもらいましょう。
こちらに気づいたようで、剣を振り上げてこちらに向かってきた。
「遅い!」
懐に入ったら回し蹴りを食らわせ、AAー12を構えて足先から破壊していった。
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