嫁を娶らば我が身狭し┅┅ああ無情!

「どう?あの娘達の誰か気に入った?」

「それがね?上のミレェちゃんは親に内緒で相手を作ってるのよねぇ…次女のラシエラちゃんは何とか子爵とかの息子と婚約してるってよ?

残る三女のソランちゃん!彼女は良いわねぇ~♪

ライトに一目惚れみたいよぉ~♪ウフフ♪良かったわね♪」


えっ?なんだよそれ?何が良かったって?


「ソランちゃんは王都の学院を卒院したばかりで今年帰って来たそうよ

学院では婚約申し込みを全部断ったんですって!

彼女冒険者としてダンジョンとか行きたいんですって!変わった子よ」


「結構お転婆さんで学院では剣術の勉強ばかりしてたって!

それで剣豪のスキルを獲得して冒険者がしたい!と決めたらしいの

男爵三女ってね?凄く軽く見られるらしくてイジメに合ってたって!

貴族ってホントくだらないわよね!」


まぁそりゃそうだ!男爵と言えば下級貴族の代表で大抵が伯爵とか上級貴族の寄り子で援助して貰ってる

余程の功績が無ければ独立した男爵とは言えない

ゼンドル男爵は親の代を受け継いだ貴族でヤダルダ伯爵の寄り子を解かれたのは先代が亡くなって継いだ時だ


「ソランちゃんはオーストンの町での冒険者希望でね?

貴族の籍を抜く覚悟よ!男爵にお願いしてるって」

「そうなんだ┅┅彼女の魔力量は多くて属性も3つ、でも魔法を使った形跡が無いんだ

風、水、土属性だけどどれもレベル1だよ?知らないのかな?」


「頭は脳筋かもよ?剣術馬鹿みたいらしいから」

「あの子凄く純情みたい、ライトを見て顔を赤くしてたわ

それにライトの話しを凄く聞いて知りたがってた

アレはもう惚れてるわ♪」


それは違うかと┅┅


「夕食の後に聞き出しましょ♪

彼女体格も良いしスタイルもライト好みでおっぱいは合格よ♪

お尻も鍛えられてパッツンパッツンのお尻だもん♪」

「ええ!彼女は性格も素直みたい、なんと言っても純情で世間知らず、最適な嫁候補だわ♪」

「オイオイ!俺はそんな事は考えてないよ?

挨拶に来ただけだからね?

変な事はしないでよ┅┅頼むから┅┅」


「ウフフ♪良いから任せて!

アナタは男爵との事を考えてれば良いからねぇ~♪

私達は奥様と話して確信してるし彼女もその気よ?

15歳よ!もう女なの、そこは私達が上手くやるからねぇ~♪」


なにを上手く?奥様確信?

俺の気持ちは?旦那の尊厳は?

なんだよそれ!


夕食では灌漑用水の話でミハエルと盛り上がる男爵様┅

女性達はソランちゃんを囲みヒソヒソ話が多い?

真っ赤な顔で下を向きっぱなし?

カワイイけど!けど!ねぇ!


けしからん話しだろうなぁ┅┅


ソラン・ザハ・ゼンドル 15歳

ヒト族 職業 男爵家三女

称号 清廉なる乙女

レベル 35

HP 800 MP 1300 体力 1800

器用 3 運 8

スキル 剣豪 4 身体強化 3

生活魔法 3 風属性魔法 1

水属性魔法 1 土属性魔法 1

体術 3 回復魔法 2 作法 4

身長 170cm 体重 55kg

バスト 86 Eカップ ウエスト 64

ヒップ 98


貴族子女だからか魔力量が多く魔法属性も大したもんだ

ホント剣術馬鹿なんだな┅┅

剣豪ってかなり鍛練しないと獲得出来ないぞ

レベルは訓練で得た物とかだけど凄いね?訓練だけで┅┅


スタイルは抜群だね♪3姉妹で1番だ!

称号が関係してるのかな?

清廉って純情に繋がるよね?

イジメとかに屈せず我が道を進んだ結果かな

乙女と言うより少女感半端ねぇけど?

顔が幼い顔立ちでちっちゃい

目がクルッとして大きく美人と言うより可愛い!だね♪


良い体格だけど細く感じるし、か弱い感じもするんだよねぇ~♪これは乙女効果!

髪も彼女だけ金髪じゃなく茶髪

これから金髪になるのかな?


肌の白さも3姉妹1番だね

ああ!嫁候補と言われて気になるぅ!

意識するじゃねぇか!もう!

俺は恋愛偏差値低いんだぞ!

マトモな恋愛は経験無し!

嫁2人は必然だったし恋愛ではなかったんだぞ!


男爵家への手土産は女性達が下着とか生理用品に石鹸とかなんかの生活必需品を奥さん達へ

男爵にはミハエルが渡したのはオーストン町で作られた腕時計だ!

偉く喜んだね♪


「これは凄い!これで私も貴族として恥じない物を身に付ける事が叶った!ありがとう!」


やはり貴族って見栄なんだねぇ~

しょうもな!


翌朝


「ラインハルト様!娘ソランをどうか宜しくお願いしますね?」

「ソランの貴族籍は届けておくから大丈夫だぞ?安心したまえ!

これからは宜しく頼む」


「私達は平民ですので盛大なパーティーとか致しません事をご承知下さい」

「我が領地では告知して町のヒト達に知らせます

町の決まりで夜は宴が禁止ですので昼間の祭りとなるでしょう

その時はご招待致します」


「祭り!それは凄い!是非とも参加したいものだ!アッハハ!」

「オーストンの町へ入れるなんて夢の様!宜しくお願いしますね♪」


俺は?なにを言えば良いんだ!

それに何やら決まったのか?

宜しくってなんだよ!

宴って!告知って!教えろ!


「ではライト様?私達は町へ戻ります、くれぐれも!伯爵領で問題を起こさないで下さいよ?

この男爵領地の事は私共が良き様に致します

それと戻られる頃はソラン様も町へ移られてる頃ですので┅フフ」


なんだよ?その含み笑いは!

ミハエル!教えろ!どうなってる!これは決定事項なのか!

嫁達で決めて良い事なのか!

俺は┅┅┅負けたのか?全て┅┅


「次は伯爵領地ね♪」

「どんな土地でしょう?良い子がいるかしら?」

「伯爵の所には寄らないんでしょ?」

「通るだけだよ┅┅はぁ~」

「何よそのタメ息?侯爵領地はまだ遠いんでしょ?

しっかりしなさい!」

「これからは速く進むよ

ミハエル達がいないからね┅

彼等が可能な限り進む筈だよ

あのゴーレムさんに任せてるから俺は寝るよ┅┅疲れた」


「了解!これからが本領発揮ね!ゴーレム1号さん?頼んだわよ!」

「ギギ!ギィ!」

「ホント呆れるわ!ゴーレム制作してると思ったらとんだ物を作るなんて!

どこで教わったのよ!これも本なの!

ガンプ爺は知らないって言ってたわよ?もう!」


エヘヘ♪ゴーレム制作は神々の人形造りしてる時についでに作ったんだ

そして魔石を埋め込んで動力として強化したら?┅┅アララ!

意思を持ったんだ!

魔石の能力だろうってガンプ爺は言ってたからジャンジャン強化したら意思と念話が付いた


この1号さんはオーガジェネラルの魔石を核としてる

それを強化して動きがヒトと同じで言う事を聞く様になった

そして更に強化で意思疎通が可能となって今は覚醒待ち


名前を与えると覚醒するらしい

ネームドモンスターだったか?

特異体になるんだって

そのゴーレムさんが5体控えてる


他は母さんの世話とかしてるし屋敷の畑を世話してる

ガンプ爺が面白がってなんかやってるよ

もっと作れ!とかね?

リアナとビアンカも挑戦したが小さなのしか動かなかった


アレはアレで可愛くて使い道があるからスライムの魔石やゴブリンとかぶちこんだ

核は別で体サイズに合わせゴブリンメイジとかにしたんだ


賢いゴーレムちゃんになってチョコマカと働いてる


侯爵領地へは約2月、でもこの馬車なら2週間20日ぐらいで着くだろう

夜も走るからね、重力魔法で車体を軽くしてスレイプニール達に回復魔法を掛けながら走って貰う


基本夜は走って昼間休憩♪

外を眺めるだけの旅だが2人は満足してる


「ライトも町以外は行った事が無いから新鮮でしょ?」

「ずっとあの領地だけだもんねぇ~♪他の町とか知らないでしょ?侯爵の町は大きいわよ」


そのぉ実は他の町を知ってますけど?それも大分前から┅


父さんが死んでがむしゃらに石鹸とか多くの工場を建て製品を多く作り販売を考えてオーストンの町と王都の中間地で基地を作って王都へ品を売ろうと考えたんだ


王都まで半年以内の地点

それが公爵領だったんだ、町も大きいし王都まで3ヶ月


サンド・ミュウル・シャルトン公爵 48歳 王族


領都サンドムは人口42万の中核都市で公爵領地は広くワイン生産とエールの生産が王国一だ


この公爵様は武を重んじ少々脳筋

拳豪と剣聖のスキル持ち

称号も【武人英傑】だって


領民から慕われ税金も高くなく公爵騎士団は有名な程強いらしい

まぁ武を重んじるからそうなる


俺には方位座標転移が出来るからどこでも転移して行ける

それでミハエルとセバスと相談してこのサンドムの町に商会を作り販売、王都にもここを拠点として販売する事を考えたんだ


「ではサンドムの町で売り出しそこから王都の商会とかに売るのですね?」

「それなんだが、王都での販売は商業ギルドに卸して希望する商店や商会に卸す方が無難だと思うんだ」

「なる程!ギルドの旋回商品なら良からぬ事も考えますまい

ギルドでは手数料が高いですが安全ですな?」


「王都には店を持ちたく無いんだよ、目立つ事になるし狙われるからね

その点ギルドに品を渡して後は頼めば勝手に商人達が売り捌くだろう、大儲けより着実に売るのが大事でしょ?」

「アハハ!あの商品なら飛び付くでしょう、そして貴族専用品は揉めますね?」

「それは予約販売とか臨機応変に準備してれば良いよ

予想してだから難しく無い筈だ」


「ではサンドム町の商会は?」

「誰か適任者はいないだろうか?

最悪向こうでスカウトとか┅」

「では私からお願いします!

その商会を任せる男を紹介しますから会って下さい」

「ミハエルの推薦者なら合格だよ?」

「イエ!実際に会って確かめて下さい」

「どんな男なのだ?儂も知ってるのか?」


「ええ!ボンドです!彼は王都の大商会で修行した男です

支店を任せられ大きくして王都の商人に一目も二目も置かれる人物ですよ!


ですが最愛の娘を貴族の息子に理不尽に取られ、娘は自害してしまいその悲しみで酒に溺れやる気も生きる望みも無くしてたそうです

生まれ故郷の辺境伯領へ戻って

あの厄災に合いケント様の姿を見て改心した様です


彼はその後この町で私の片腕として仕事をしてます

献身的な嫁に助けられたと笑ってますがケント様の事が大きいでしょう


それに貴族を憎んでる所はライト様に通じる物があると思われます

彼の才能は文官ではなく商人です!ですから彼を!」


「うん!決定!会うまでも無い!

じゃあ俺は商会の土地と建物を確保してくる

ミハエルとセバスは彼の移動や説明を頼む

準備が揃ったら会って話そう」


「ライト様┅┅そんなあっさりと?」

「ウァハッハハ!ライト坊はそんなお方じゃ!お前の熱弁で理解したのじゃろう

ミハエルよ?適した者を採用するのに大事なのは信用じゃ、そのボンドにはお前の厚い信用があるじゃろ?だからじゃよ?アッハハ」

「まだ15歳だと言うのに┅┅」


そう!15歳であちこちの町を見て回った、流石に王都へは行かなかったんだ

面倒事の臭いしかしなかったからね~♪


そしてサンドム町の目抜き通りの一等地に店を構えた

地下に転移陣を設けオーストンから転移で荷を運ぶ

そしてこの町からA級冒険者に指名依頼するんだ!

マジックバッグ1つだけを高額依頼!

後は商業ギルドが捌く手筈だ


何故ギルドが首を縦に振ったか?

それは【通信鳥】と言う魔道具を渡したから┅┅┅

錬金術で作った紙に魔法陣を刻み相手に届ける紙の鳥


速くて内容が確かに届くのが売りだ!少しの魔力で飛ばせるからとても重宝

ギルドは喜び契約したんだよ

でも条件を付けた、これは誰にでも販売しないと約束させた

悪用される危険が多いからね

確かな身元と相互間のやり取り専用なら販売する事にした


広く伝わってから解禁するとしたんだ

錬金術を使えるなら誰でも作れるし魔法陣も少しの知識で書ける事にしてる

古代語とか無理だからね?フフ


この2年間でオーストンの品々は王都や各都市で大ヒット!

貴族達も専用品をこぞって買ったからウハウハだよ


ボンドは堅実に経営して信用を得て行った

転移陣での移動でしょっちゅうオーストンの町へ来てる?

奥さんがパンを買う為だとか┅

物凄く愛妻家なんだよ

苦労かけたみたいだからね┅┅


それでパン屋も開業、そこで売られる甘味は長蛇の列でまさか朝早くオーストンで作られたスィーツとは思われないだろう


ギルドからスィーツのレシピを売れば?とか言われレシピも多く契約してる


なんと公爵家も人気でボンドは公爵家御用達商人として認定された


店は【ハイト商会】での雇われだがボンドが実質オーナーになる日も近い


「あれが侯爵領地ね?海は?」

「あの丘を越えたら見えると思うよ」

「じゃああの丘で海を見ながら休憩しましょ!」





そこには大オーシャンビュー!

青くキラキラ輝く海が広がっていたんだ



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