月には本当にウサギが住んでいる。＊今ね、パピー期に反抗期に発情期ぜんぶだってば＊

第2話：エスコートお願い。

「私、月のネザーランドってところからやって来たの」

「私のお名前は「リエーヴル・ラパン」 って言います・・・」

「リエーヴルって呼んでくだされば・・・地球の男子」

「あ、よろしくです」

「俺の名前は「空星 光太（あけぼし こうた）」」

「名前は光るに太いって書いて光太・・・分かります？」

「光太？・・・さん・・・よろしくね〜」

俺は月のドワーフ族に初めて会った・・・めちゃ可愛い・・・なんてたって

尖った耳がいいよな・・・ちょっと触ってみたい。

「よろしくねって言ってるんですけどぉ？・・・光太さん」

「あ、よろしく、リエーヴル・・・リエーヴルちゃん」

「あ、俺、とりあえず高校性です・・・高校一年生」

「わ〜私と同級・・・」

「ってとで、光太さん・・・改めてよろしくね」

「ここで会えたのは悪魔の引き合わせですよね・・・仲良くしましょ」

（悪魔って・・・神だろ？神の引き合わせだろ・・・間違ってるけど）

「あ、同級生って？・・・君も高校生？」

「そう、バタゴニアン女学園に通ってるバリバリの女子高生です」

「訳あって今は休学中ですけど・・・」

「訳あって？」

「そう、今私、絶賛家出中ですの」

「家出？」

「女の子はナイーブなの・・・人生いろいろあるでしょ？」

「でもよかった、無事に地上に降りることできて」

「もうUFOが故障した時は死ぬかと思いました・・・途中でおかしくなるん

ですもん」

「それにベストタイミングで光太さんが見つけてくれたから助かっちゃい

ました」

「さてと・・・これからのことなんですけぉ」

「私、地球のこと右も左も分からないのね」

そう言ってリエーヴルは探るような目で光太を見た。

「よかったらぁ、光太さんのマイホームに私をエスコートしてもらえると？」

「タダとは言いいませんからね・・・よかったらこれご家族と分けて？」

「なに？」

「お餅です」

「私たち日常的にペッタンポッタンお餅つく習慣がある種族なんですよ・・・」

「ほら、うどん県「香川県」の人たちが日常的におうどん食べるみたいに・・・」

「だから光太さんに、お餅あげます」

「お餅？・・・あ、ありがとう」

このお餅・・・実はただのお餅じゃないんだ・・・そのうちお餅が活躍する

時が来ると思いますけど・・・。

「ね、だから〜エスコートお願いできちゃいます？」

「エスコート？・・・俺が？・・・君の？」

（こんな場合どうしたらいいんだろ・・・これってファーストコンタクトだよな）

（めっちゃ貴重な体験してるよな、俺）

（ドワーフ人とのコミュニケーション・・・こんなチャンス他の人たちに取られ

たくないな）

「エスコートってつまりリエーヴルちゃんが帰れないのなら俺んちへ？・・・」

「あの・・・リエーヴルちゃんさえよかったら俺の家に来る？」

「さっきからそう言ってるんですけど・・・」

「じゃ〜俺の後をついてきてください」

「あの、君が乗ってきたUFOここに残したままじゃマズいんじゃないの？」

「大丈夫ですよ、このポンコツ時間が経ったら溶けちゃうようセットしましたから」

「え、溶ける？・・・溶けちゃったらリエーヴルちゃん自分の月に帰れないじゃないですか？」

「いいの、どうせ帰るつもりないんだから・・・」

「そうなんだ・・・え？ずっと俺の家に居座るつもり？」

「分かんないけどぉ・・・」

「まあ、今の地球の科学技術ならリエーヴルちゃんが月に帰るって言っても問題ない

とは思うけど・・・」

「絶対、帰りません、月になんか・・・」

「当分、月には帰るつもりないんですから、どこで生きたって同じでしょ？」

「それより私、月に帰るより大事なモノ見つけちゃいましたし・・・」

「大事なモノ？・・・地球に来ていきなり？・・・大事なモノってなにそれ？」

「聞きたいですか？」

「うん、聞きたい」

「まだナイショです・・・最初にそれ言っちゃうとつまんないでしょ？」

はい、これがドワーフ族リエーヴル・ラパンが光太の家に居座ってる理由なのです。

つづく。