月には本当にウサギが住んでいる。*今ね、パピー期に反抗期に発情期ぜんぶだってば*
猫野 尻尾
第1話:その子は月からやって来た。
昔から月にはウサギがいるってのは有名なお伽話。
でも現在では、お伽話じゃなくて月には、ちゃんとウサギが住んでるんだ。
月の表面に「ネザーランド」って大規模なドームが築かれていて、そこに
ドワーフ族ってウサギたちが住んでいる。
ウサギと言っても、地球にいるウサギとは違って擬人化していて人間により
近い容姿をしている。
ドワーフ族は動物のウサギみたいな長い耳じゃなくエルフみたいな毛のない
尖った耳を持っている・・・で、お尻にはちゃんと丸っこい尻尾が生えてる。
そんな細かい部分が違うから地球人とは見分けがつく。
なんでも地球人が月に持ち込んだウサギが急激に進化して今のドワーフ族になった
らしいってことだけど・・・。
月には生命を極端の進化させる不思議なパワーがあるのかも、それともドワーフ族の進化に干渉した何者かがいたのか?
人類が気づいた時には、もう月にはすでにウサギが住んでいた。
なわけでドワーフ族と人類とは現在は平和協定で結ばれている。
だから月から地球に移住するドワーフ族もたまにいたりする。
そして、その「ネザーランド」からひとりの女の子が地球にやってきた。
って言うか思春期によくある反抗期、家出ってやつ。
そのへんは地球人もドワーフ族も同じらしい。
家出したその子の名前は「リエーヴル・ラパン」 って言う。
リエーヴルの家は富裕層・・・お金持ちの家に育ったから世間知らずでわがまま。
まあ、だいたい金持ちの家に育つと苦労知らずだから・・・。
リエーヴルは親に内緒で自分ちの自家用UFOを勝手に持ち出して地球へやって
来た。
で、リエーヴルは今、日本の「
お父さんの名前は「
お母さんの名前は「
そして息子の名前は「
どうしてリエーヴルが
経緯はこういうことだったのです。
光太は天体観測が趣味で、その夜も望遠鏡で星の観察をしていた時、
そしたら望遠鏡のレンズの中を横切っていった光る物体があったんだな。
なにかと思って急いで望遠鏡で物体を追った、一度は狙いを外したけど、
それはいつものこと。
だから通り過ぎた物体をすぐに望遠鏡に捉えた。
その物体は湖の方に向かって落ちて行くのを確認した光太は観測をほったら
かしにて、その謎の物体を探しに湖に向かった。
自転車で15分ばかり走ると湖に到着した。
そこに雑誌やネットで見たことあるような金属に見える丸い物体が湖にプカプカ
浮かんでいた。
「UFO?・・・そうだよな? 」
「このUFO、月のドワーフ族が乗ってるやつだよな、ネットで見たことあるぞ」
若いぶん科学知識があって順応性が高い光太はさして驚きはしなかった。
自分にもこう言う遭遇がいつかありえることだって日頃から思っていた。
そしたら、その物体の上部がパカッって開いて中から同じくネットで見たことある
ような女?
女に見える異星人?が宙を浮いたかと思うと光太のところまで降りてきた。
「およよ・・・エルフみたいな可愛いウサギ耳・・・ドワーフ族じゃん・・・
まじで?」
地球人とは違う雰囲気のその子は光太と歳が変わらないくらいの女の子だった。
髪はロングの白髪で、特徴的な耳が両サイドにやたら目立っていた。
ウサギって言っても、なんのなんの人間の女の子に引けをとらないくらい可愛い。
チャーミング&キュート?
その子は、光太の前までやって来てこう言った。
「あなた・・・地球人ですよね?・・・って私おバカな質問してます?」
「地球に降りてきてるんだから地球人に決まってますよね」
「ここに来る前にUFOのコンピューターで少し調べてみました・・・地球の男子
のこと・・・私、女性には興味ないですから・・・」
「地球人の男の子ってエッチなんですよね」
「エッチって・・・当たってるけど・・・俺、一応そのエッチい地球人だけど」
「君、ドワーフ族だよね」
「そうですよ、私、月のネザーランドってところからやって来たの」
「私のお名前は「リエーヴル・ラパン」 って言うの・・・」
「リエーヴルって呼んでくだされば・・・よろしくね・・・地球の男子」
つづく。
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