第3話：ベルジアンって羊。
リエーヴルが家出したってことで、さっそく彼女を迎えに月からひとりの男が
地球にやって来た。
その人物はリエーヴルの家の執事で「ベルジアン」って名前の人物・・・。
だけどリエーヴルとは別の種族のドワーフ。
すらっとした体型で年齢は30歳前後か？
清潔そうな短髪にメガネをかけている。
普段はいたって穏やか、一見温厚そうに見えて切れ長の瞳は暗く普通のドワーフ
とは違っていた。
なんでもの父親が治安の悪いエリアで彼を窮地から救ってチエーヴルの屋敷に
連れて帰ってきたらしい。
リエーヴルの家はベルジアンの他にもメイドさんが数人いる。
冒頭でも言ったがリエーヴルの家は富裕層、お金持ち。
そのベルジアンがリエーヴルを迎えにやって来た。
ベルジアンはリエーヴルみたいにUFOに乗っては来ない。
彼は瞬間移動ができるので月から一気に地球へ飛んできたのだ。
で、ベルジアンが
いて家にはいなかった。
お父さんの
ちばみにリエーブルは流太さんの焼くお好み焼きが大好物だった。
で、家にいたのは、お母さんの
庭でモノが壊れるような音がしたので
サッシドアを開けて庭を見た。
そしたら、知らない男の人が庭に置いてあったバケツに足を突っ込んで、あたふた
していた。
「まあ、どなた？・・・」
「あ、ベルジアン」
「え？あの人、リエーヴルちゃんのお知り合い？」
「はい・・うちのヒツジですわ」
「え？羊？」
「あ、これはお嬢様・・・」
「ベルジアンそこでなにしてるんです？」
「どうも〜失礼しました」
「ところであなたは？このお宅のお嬢様でしょうか？」
べルジアンはリエーヴルは綺麗さんに挨拶しようとした。
「お、お嬢様？」
「私はお嬢様じゃなくて主婦です」
「この綺麗なお母様は私がお世話になってる
「綺麗さん・・・こっちベルジアンって言って私んちの執事さん」
「はあ、どうも・・・ベルジアンさん」
「羊じゃなくて執事さんね」
「改めまして、綺麗様」
「ところで・・・お嬢様・・・旦那様と奥様が心配なさっておられます」
「ってことで私が自らお迎えに参りました・・・さ、月に帰りましょう」
「せっかくだけど私、帰るつもりないから」
「なにをおっしゃるウサギさん・・・帰ってもらないと困ります」
「お嬢様を放って私ひとりで手ぶらでは帰るわけにはいきませんからね」
「誰がなんと言おうと帰らないって言ったら帰らない」
「困りましたな・・・」
「いいかげんご機嫌を直されたらどうです？」
「あ〜それはもうどうでもいいの、帰らない理由は他にできただから・・・」
「ほう・・・その理由とは？」
「内緒・・・そういうのはクチにすると泡になって消えちゃうの」
「夢や希望はね、人に言っちゃいけないんだよ、叶わなくなっちゃうからね」
「そんなもんですかね・・・」
「あの〜立ち話もなんですから、家の中に入りません？」
ふたりの話を黙って聞いていた綺麗さんが言った。
「そうですか？・・・ではお言葉に甘えて」
「え〜帰らないんだ？ベルジアン」
「ですから、お嬢様を残して私ひとりでは帰れませんから」
「このさい、お嬢様が帰るって言うまで綺麗様んちに逗留させていただきます」
「旦那様より充分、おヒマは頂いてきましたので・・・」
「ベルジアン、居座るつもり？」
「お嬢様だって居座ってるではありませんか」
「ってことで綺麗さん、よろしくお願いしたします」
「私の生活費はご心配なく、必要経費はちゃんと清算してお支払いいたし
ますから」
「居座るのはいいけど、帰ろう帰ろう言わないでね、うっとうしいから」
「それに、いちいち私に説教しないでいてくれるとありがないわね・・・
ベルジアンはいつでも文句が多いんだから・・・」
「間違いは正さねばまりませんからクチうるさく言うのですよ」
「お嬢様のためです」
「イジメだよ・・・執事が主人をいじめてるぅ・・・ただのパワハラ」
「解釈の違いですな」
「とにかく何日いても何ヶ月いても何年いても私帰らないからね」
「けっこう」
つづく。
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