第2話
遠い夢を見ている
それはいつからか本物より愛しくなり
その刹那のような淡い情景を揺蕩う
空に見える月
時を超える風たち
その行く末になぜか
今よりも遠い懐かしさを覚える
これが未来なら
それさえ私の中では古いのだ
もうきっとこれ以上
この未来にあるわたしさえ
どうとなるわけでもない
つまりは別れを思い
それは一人を選ばされる
いつしかそうして折り合いをつけて
宇宙にあるとされる神秘よりも
今にあるこの虚しさが
よっほど謎だった
だからだろうか
こうして考えてぼうっとして
ただ人生を浪費していく
何もしない
何もいとわない
それがわたし
いつまでたっても自由で
いつまでもたっても変わらない
仮初の世界に
仮初の自分
本当なんてどこにもない
あるのは空に浮かぶそんな夢
まだ知れない世界に
まだ知れないわたしを求めて
わたしは 今日も生きるのだ
それが示すのは孤独だろう
それでもこの古い未来を変えたい
だからこうして
無地になって色をつけないように
ただ俯瞰して
変えようのない宇宙を漂う
これくらいだ
どこまでも
どこまでも
愚かで、その未来に
ただ美しい自分を探してる
変えようない未来が
きっと変わらない未来で
それがわたしの言う
自由であって
つまりは手つかずの未来であって
世界を引き
自分を引き
残った白に
自分をなじませる
だからここは孤独よりは透明で
宇宙よりは親しみやすい
息さえできるなら
ここは地球で
ここに生きれるということで
ただただどこまでも揺蕩うだろう
途方もない未来を
途方もない速度で
途方もなく、途方にくれながら
そんな旅をしている
いいだろうか
まだわたしは、この世界に確かに未来を見て
どこか変わらないそんな自分でいいだろうか
誰かの求める自分が
自分ではなくて
未来に映る自分が今のままでも
いいだろうか
それが私の言う
自由だと思う
変われば失い
失えば変わる
だから未来とはそうなくていけない
死ぬより先に古い夢を見て
やはり永遠だと思いたい
今更こんなことを言って
きっと困惑させるだろう
それでもあなたの描く未来に
わたしはそのままでいる
それは幸せだと
思いませんか
それは
安心だと思いませんか
これがわたし、
わたしはずっと変わらず
ここにいる
だから未来でだって探せる
それが言いたい
それだけだよ
じゃあね。
まだあなたの未来に
古い私はいる
だから探してね
それが未来永劫のわたしで
永遠のわたしで
さよならさえ超えて
死後さえも超えて
永遠のわたしはいるから
悲しませてごめんね
まったく世界はこんな理不尽で
それでもそれがわたしの言う未来で
それがそれでも
やっぱり矛盾している
だから未来を変えないで
わたしを変えないで
これだけが空に浮かぶ
わたしの言うあなたで
私の見るあなたで
未来にかかる架け橋で
その時間をその命運を
人生の中で忘れないで
それはずっとここにある
ずっとここにあったから
だから今でも必ず
届くと思う
いいや手を伸ばすことさえ必要ないね
だってもう空気の中に
時間の中に
この世界に染みてるから
じゃあね。
わたしはまだ生きてます。
あなたも生きてください
未来まで永遠に。
全ての時間にわたしはいます。
だから大丈夫です
あなたも
わたしも
きっと。
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