この恋の終電は。

あびゃこ

第1話

私の友達は、かわいい。

目も大きくて、愛嬌もあって、髪が長い、優しい女の子。


『 へへっ、あーずちゃん! 』

「 花恋、 」

『 早くかーえろ! 』

「 うん。かえろっか 」

『 君かわいいね~!西校の子でしょ~? 』

『 だっ、誰ですか、? 』

『 俺とカラオケいこ~よ 』

『 わたし、この子と帰るので、! 』


勇気を振り絞って言ったあなたの事、みんなは頑張ってる、だとか、可愛い、だとか。思うのに。なんで、こんなに憎く感じてしまうのだろう。


「 、もう、いいよ。 」


軽く、発した一言だった。


『 あず、ちゃん、? 』

「 ちが、っ、ごめん、なんでもないの。早く帰ろ。 」

『 うん、 』


あー、ほんとに、自分が憎くて仕方ない。

こんなにも優しくて可愛い女の子のことを、素直に可愛いと思えないだなんて。


『 花恋に杏葉じゃん。なにしてんの? 』

「 は、隼人くん、 」

『 帰り途中~! 』

『 隼人くんは? 』

『 俺は今から健太ん家! 』

『 わ~!いいね、、! 』

「 そうなんだ。楽しんできてね。 」

『 おー!じゃあまた明日な~! 』


あー。ほんとにすき。だいすき。

くしゃっと笑う顔も、声も、私にも挨拶してくれる優しいところも、全部全部ぜーんぶ。大好きだ。

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