第92話

希和の反応が怖かった。






もしも私が希和との結婚を望んでいると知られてしまったら。



希和がどう思うんだろうって。




"そんなつもりはなかったのに"って、重たく思われてしまうかもしれない。




そう思うと怖くて。




慌ててつい"嘘"を口から並べていた。






普通の恋人同士であったなら、5年も付き合ってこの年齢になったのなら、結婚を考えるのは当然かもしれない。




・・・・だけど私と希和は、違うから。




希和はそんなこと、望んでいないのかもしれない。



そんなつもりはなかったのかもしれない。





だってその証拠に希和は、










「・・・・そっか」







小さく息を吐くと同時に、




ーーー安堵の表情を浮かべた。











見間違いなんかじゃない。





私に今すぐ結婚したい意思がないことを知った希和は、




心の底からほっとしたんだーーー・・・・

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