第20話

ホント自分勝手だなぁ、このヒトは。





「色白のマキに似合いそうだな、あれ」



「・・・ありがと」




胸もとにレースがあしらわれた、ベージュピンクカラーのホルターネックワンピース。



まだあまり着ていないワンピースもあったんだけど、久しぶりに会う友人たちを前に、少しでも綺麗な自分を見せたくて、ちょっと高価だったけれど奮発して買ってしまったのだ。



ついでにピンヒールのパンプスまで。



唯一の独身女になってしまった、私のプライドもあるのかもしれない。





「マキは淡い色が似合うから、きっとウェディングドレス姿も綺麗なんだろうな」



「・・・・・・・・・・・・」




ふつーのカップルの場合、これは遠回しにプロポーズをしているような甘い言葉なんだろうけど。



先のない愛人としては複雑だ。


なんて答えたらいいのかわからない。

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