第19話
慰めの言葉も何もなく、ただそれだけ。
コーヒーは苦手だけれど、その優しさが嬉しくて無理矢理飲んだんだっけ。
だけど、だからと言って別にそのときに恋に落ちたわけではなかった。
だけど半年前、お互いにお酒が入った状態で誘われたとき、その時のことを何となく思い出して、この人ならいいかなって思ったんだ。
「どこか出掛けるのか?」
ベッドの中で微睡んでいると、鳴沢部長の視線は壁に掛かったワンピースに向けられていた。
「あー・・・うん。明後日ね、地元の友達の結婚式があるんだ」
私の地元は、東京から新幹線で約二時間の場所にある。
「じゃあ明日実家に帰るのか?」
「そうだよ」
「残念だな。明日はゆっくり夜まで一緒にいられると思ったんだけどな」
そう言って背後から抱きしめる力をそっと強められた。
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