第18話

流される私も私だと思う。


あのまま鳴沢部長にもう一度抱かれた。





鳴沢部長のことは好きだと思う。



だけど。




"奥さんがいるのに"という嫌悪感も同時に存在してる。



鳴沢部長とこういう関係になったのは、半年ほど前。誰かの送別会の帰りに、なんとなくの流れでそうなった。


その時はまだ鳴沢部長は独身だった。まあ婚約者はすでにいたんだろうけど、私はそれを知らなかった。




この会社に入社して二年が過ぎた頃。



仕事で大きなミスを犯し、夜遅くまで会社に残って1人泣いていたことがある。


そのとき、違う部署のはずの鳴沢部長が突然目の前に現れて、スマートに缶コーヒーをデスクの上に置いたんだ。




「コーヒー飲めるのかわからないけど、よかったらどうぞ」

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