第2話 いつも不運な狐さん
大狼さんに連れられて食堂まで来た俺たちは購買へ行き
昼食を買いに列に並ぶ
3分位くらいが経ち俺たちの番が来た
彼女はサンドイッチ、俺はおにぎり買い
落ち着ける場所で食べたいが為に窓際の日当たりがいいテラス席に移動した
移動した先で俺たち二人を待っている姿が見えた
「あれ?汐恩先輩、旭先輩?食堂に来るのは珍しいですね」
そう言いこちらに振り向き笑顔で駆け寄って来た
彼女の名前は
肩まで伸びた紺色の髪に中学生とは思えないほどの豊満な身体つき
運動神経が抜群によく、運動部に常にスカウトを受けて入れるが何故か断っている
一つ下の中学三年生で元気がよく人当たりが良いがなぜかいつも一人でいることが多い
大狼さんとは幼馴染で小学校から一緒とのことでよく二人で遊ぶと大狼さんに聞いた
この学校は中高一貫校で寮制度があり
通学生や寮生がある
かく言う俺は高1で通学生 毎朝起きて通っている
大狼さんは同学年で通学生、依栞は中3で寮生だ
「依栞か、そう言うお前はいつも食堂に来てるんだな」
「はい、ここのご飯はいつ食べても美味しいので 汐恩先輩は珍しく食堂なんですね?」
「うん、一緒に食べる相手がいるからね、教室で食べるより落ち着く所で食べようと思って」
「ここ、そんな落ち着ける雰囲気じゃないと思いますけど?」
「人がいるから落ち着くよ?」
「そうなんですね?所で先輩方は何を買ったんですか?」
「俺はおにぎりで大狼さんはサンドイッチ」
「え?サンドイッチですか!?」
「うん、そうだけど、どうかした?」
サンドイッチと言う言葉を聞いた瞬間に彼女は驚いた
ここのサンドイッチが不味いのだろか?
それとも人気がないのか
そう考えてると口開いて彼女は言った
「ここのサンドイッチは大人気で滅多に買えないですよ!」
「えっ?、そんなに?」
「はい、ここのサンドイッチが売ってるお店は開店から一時間で全て完売します」
「そんな人気なサンドイッチを手に入れられてよかったよ」
どうやらここのサンドイッチは大人気な様でそれを入手した俺たちは相当運が良いようだ
「はぁぁ、毎日並んでるのになんで買う時には既に買われてんですか」
彼女が一人で居ることが多い理由は風の噂程度しか聞いてないが
どうやら彼女は運が悪いらしく
それも疫病神に取り憑かれてると思うくらいには運が悪く
その不幸が続く運の悪さと色々と言い伝えがある狐から
「妖狐」もしくは「狐」と周囲から呼ばれている
それでも彼女の人気は根強く親衛隊などが出来る程の言わば皆のアイドルみたいなものだ
「また買えなかったの?、私のいる?」
「良いんですか!?」
「うん、いいよ、今度遊ぼうね」
「はい!、ありがとうございます!」
人気者の二人が並ぶ姿は周囲人からは本当の姉妹に見えるらしく
守りたい親衛隊と仲良くなりたい者たちが二人には見えぬ所で対立していたりする
「よかったね孤坂さん、ついでにさっき買ったジュースもあげるよ」
「はい!、ありがとうございます、旭先輩!」
特に何もしてないはずなのに彼女にはよく懐かれている
まぁ元気な子の姿を見るのは微笑ましいから良いが
そんなこんなで予鈴が鳴った
もう昼休みは終わるらしく
次の授業の準備をしないといけない
「あ、もう予鈴ですね、次は確か体育でしたよね?」
「うん、そうだね」
「ねぇ?出雲くん」
「どうしたの大狼さん?」
「私と授業サボってお昼寝しよう?」
「はぁ?もしかしてお昼食べて眠くなったの?ダメに決まってるでしょ?」
「汐恩先輩?真面目に授業受けてくださいね」
「は〜だめか〜」
「そんなことしてないで急ぐよ大狼さん」
「ん、わかった」
彼女はよくこうやって授業をサボろうとする
無論教師からは注意を受けるが成績が良いために注意するのが難しく
隣の席の俺が見張っててと担任に頼まれた
「じゃあまたね依栞」
「はい、また!」
そんな挨拶してる彼女の手を引き
体育館の近くにある更衣室まで一緒に移動するのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます