第14話 バカップルの幼馴染

 委員長から『知り合いが転校してくるから挨拶に行きなさい』と言われてきたけど、誰だろうか。


「よっ、蒼」


「その声は金助!」


 西園寺金助。俺の幼馴染で戦友だ。


「まさかお前が来るなんて……ていうかその右手どうした? 機械みたいになってるが、義手?」


「義手じゃあない。魔人殺しエリートにして蒼とは幼馴染。殺しのエキスパート及び国民栄誉賞じゃ足りないくらい讃えられる西園寺金助AB型。の今日の天気は金平糖。あまり細かいことは言わないでおこう! だ!」


「長い長い。自己紹介が長い!」


 はっ。マズい。今の長々な自己紹介を街中でしたものだから誰かが聞いてるかもしれない。かくなる上は……


「厨二病治ってないなぁあはは!」


 コイツを厨二病に仕立て上げてお茶を濁そう。


「はっ? おい蒼! 誰が厨二病だって? 私が言ってることは全て本当だぞ?」


「うるせえ。魔人殺しをほいほい口に出すもんじゃねぇ。一般人に魔人殺しがバレたら組織に殺されるぞボケナスが」


「もやしでも食べるか?」


「おいどっからだしたよそれ? 食べるけども……」


 金助の股間から取り出したもやしを口に含みつつ、なんでここに来たのか聞き出すことにした。

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