第9話 甘いものが食べたいバカップル

 深夜のこと。モモが『甘いものが食べたい』と言ってきた。


「んじゃあ、コンビニで買ってくるよ」


「あたし、コーヒーゼリー食べたい!」


「よし分かった。行ってくる!」


 こんな何気ない会話でも尊いんだなって俺は思う。モモと過ごせる時間は少ない。


 いずれ俺は許嫁と結婚する運命なのだから。



         ◇



「許してくれぇ。ワシはただ、人間になりたかっただけなんだ」


「確かお前は人の嘘を餌にしてるんだよな? 虚言癖の魔人さんよぉ。生きる資格はねぇ。死に晒せよ」


「ぎゃぁぁぁぁ!?」


 それに血塗られた一族の跡継ぎである俺は光の中では生きられない。モモを巻き込みたくない。

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