過去からの復讐

きよグ

第1話逃走

ビルの明かりも消え、本来街が静まり返っているはずの時間、耳を塞ぎたくなるほど大きいサイレンが鳴り響く


「おい有希、もっと安定させろ、あとスピード上げろじゃないと白バイ追いつかれるぞ」


そう短い黒髪に黒い目の見た目は普通より少しいいくらいの男性が、中を浮いているバイクのような乗り物を運転する、短いツインテールのピンク色の髪に黄色い目をした背の低い女の子に、バイクに乗りながら少し怒りを混ぜながら文句を言う


「うるっさいですね!みんなが先輩みたいにできるわけじゃないんですよ!」


眉間にしわを寄せて、バイクのハンドルを強く握りながらキレ度マシマシで叫んで言い返す、それを見て男はため息を吐いて返す


「誰だっけ、俺のできることの半分は出来るようになれって条件飲んで喜んで相棒になったのは、ああ、よかったなああの頃は可愛くて」


そう男が顔だけ後ろに向け、煽るように、懐かしむように話すと


「ああ、もうわかりましたよ、やりますよ、やってやりますよ、その代わり!振り落とされても文句言わないでくださいよ!」


「誰に言ってんだ」


そう返す前に、バイクはスピードを上げていき、先ほどまでじわじわと詰められていた差を一気に離す


場面は変わり、邪神の子対策本部


長テーブルを囲み、前に置かれている大スクリーンを見ながら話している


「近くに仲間おらず孤立している状態、こちらも今彼女を向かわせることはできませんが、今こそ佐藤 神登を捕まえるチャンスです。ランクSSS、最強を2人派遣すべきじゃないでしょうか!」


と長く赤い髪のを後ろにまとめた眼鏡の女性が、スクリーンの前に立ち、感情的に訴える


「だめだ、強さは最高レベル、確実にランクSSS、その上能力もいまだ不明、本気を出していない可能性すらある、そんな相手に簡単に最高戦力は出せん、A、出せてもSが限界だ、わかったら下がれ」


と冷たく、淡々と説明され、女は理解は出来るというような悔しい顔をして下がり、席に着く


「それではNo.47、ランクSの木村 隆司を向かわせる、異論はないな」


先程喋っていた白髪のイケメンが異論を許さないというような鋭い眼光で皆を睨む、肝が据わっているのか、無神経なのか・・・いやあれはただの酔っ払いか


「No.32、ランクSの小林 蓮を向かわせるべきじゃないですか?今わかってる情報だけでも氷を使う、それなら炎を使える47は温存して、大量にいる強化系の中でも中の上くらいの32が良いのでは」


そう今時ひょうたんに酒を入れ、会議中に酒を飲み、顔を赤くし酔っぱらいながらも真剣に意見を伝える


「ふむ、お前の意見はもっともだ、小林 蓮に変更しよう、だが一つ言っておく、彼ら彼女らは犯罪者でも人外でもない、覚えておけ酔っ払い」


そう、静かな怒りとどこか公開があるようなそんな声で酔っ払いに言う


「これは失礼、覚えておきますよ」


少し嫌味のこもった声で、笑いながら返事を返し「いまさら」と小声でつぶやき、背にもたれてあからさまにだるそうな態度を取り、口の横からあふれるほど酒を飲む


場面は戻り佐藤 神登達が逃げているところに


「先輩、そろそろ撃退してくれませんか」


「仕方ねえな、次の角曲がったタイミングでやってやるよ」


先程までとは違うやつらに教理を少しずつ詰められていた


「天使使うってことはもうすぐ来るな」


と少し笑顔をうかべ、嬉しそうに神登が言うと


「だから早く撃退してくださいって言ってるんですよ」


と言い右手をハンドルから離しスピードメーターを思いっきり叩く


「いいじゃん、ここまで来てないってことは、あいつは来ないんだし」


「それより、カーブに集中しろ」


「分かってますよ」


そう返し、大きく外側に回り、出来るだけスピードを落とさないようにしながらタイヤを横滑りさせ曲がる


曲がった後、右手のひらを上に向け、息を吹く、すると何回も綺麗に磨いた床を滑っていくように、曲がり切れず転倒し壁にぶつかる


「もういいぞ和渚」


「了解」


外した右手の手袋を加えながらそう返し、右手で再びハンドルを握る


それから十数メートルくらいの場所からポケットから取り出したマッチに火をつけ投げる


マッチが地面に着くと炎が雷のように早く地面を駆け、立ち上がろうとしていた天使たちの元まで一瞬で届き、突然爆発する


絶景でも見るように、「おお~」と言うような顔で眺める


「ほんと便利だよなお前の能力」


「ありがとうございます」


少し照れたようにそう返し、タイヤを横滑りさせ止める


隕石みたいに高速で地面に何か、いや神の子が落ちてくる


「ここは高速道路じゃないぞ」


神登が落ちてきたやつに言うと雪に滅茶苦茶つまらないみたいな顔をされ返される


「佐藤 神登、高橋 和渚お前たちを内乱罪及び殺人等の罪で逮捕する!なんてね」


そういい赤い髪に青のメッシュのあるガタイのかなりいい男が笑いながらそう言う


「殺しに来たぜ」


そういい、思いっきり踏み込みこちらに向かってくる


(なんだ、ただの捨て駒か)


雪が鼻で笑った後バイクの方へ歩いていく


神登がふっと息を吹くと凍ってそのまま動けなくなってしまった


それを見てつまらないというような顔をし、鼻で笑い蹴り壊しバイクに普通に乗り去っていく

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