第3話

しばらく考えたのち、

私はとある考えに至った。

それは不慮の事故だ。

スマートフォンを充電するバッテリー充電器も、使い方の粗が出れば発火し得ない。

それで火事になったという記事を

見たことがあった。

ということはそういった背景が

あるのではないか、なんて思ってしまう。

それにしてもパイプ爆弾が不慮の

事故で届くわけがない。

デリバリー?私は再び考えの溝へ入り込む。

そうだとしたら午前9時ごろに現れた訪問者が犯人に違いない。私はそこら辺にあったA4サイズの雑紙に筆を走らせ始めた。

そうだとしたら私は爆発音に気づくはずだ。

割と頻繁に隣の部屋に住む彼のくしゃみの音を聞いたことがある。

それほど音は聞こえてしまうのだ。

そうであれば何故。如何にして彼は殺されたのか。私は衝動に駆られ、隣の部屋に入ってしまおうと思うほど、悩んで悩んでいる。

そこの時間のラグ、私は再び憶測を立てた。

それにしてもニュースの報道があまりにも少ないことにも気がついた。

普通なら爆発事故、そういった類のことは詳しく鮮明に報道されるはずだ。

それにしても少ないということは何か隠す、隠さなければいけないことがあるはずだ。

ますます考えているうちに私は少量の頭痛がしてきた。

にしては、こんな閑静なアパートを狙うか?

またしても私は疑問が浮かび上がる。

まるで私は探偵じゃないか。

など私は妄想にも駆られる。

テレビのリモコンを手で探し、私は電源を切った。

やはり隣の部屋にまだいるであろう警察の話し声であろうか。そんなものがやはり聞こえている。

誰かが急足で入ってくる音が聞こえた。それはひどく吃ったような音で私は壁に耳をつけるようにして聴力をそこに委ねた。

明瞭には聞こえなかったが、犯人はこのアパートの住人です。と確かにその声は言った。

私は生唾を呑み、また鈍感ながらの考えに至った。

思えば少し前、どこかの部屋で酷い揉め事があったような。

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