第10話 料理屋の大将編
私が次にマッチングアプリで出会ったのは、50歳の会社経営者、詳しく聞くと料理屋の大将。まあまあカッコイイし、トークも面白い。ただ、会話の内容が昭和っぽいところが少し気になる。でも、話してみた感じだと、何となく合いそうな予感がする。
私たちはお洒落な喫茶店で初めてのデートをすることに。コーヒーとサンドイッチを頼み、和やかな雰囲気で会話が進む。ところが、次の瞬間、彼の口から出た話が全く予想外の展開に。
「中学2年の時に、学校サボって友達とストリップ劇場行ったことがあってさ…」と彼は急に昔の記憶を語り出した。最初は何の話かと思っていたけど、だんだんとそのエピソードに引き込まれていく。
「入り口には化粧濃いおばちゃんがチケット売っててさ。で、いざ始まった舞台…セクシーな女性が一枚一枚脱ぎ始めて、後ろ姿からだんだん顔が見えた時に、え⁉ってなったわ」
彼は目を見開きながら話を続ける。「チケット売ってたあのおばちゃんやってん!友達と激しくツッコんだわ、『お前かい❗️』って。」
思わず、私も笑ってしまった。でも話はそこで終わらない。
「その後な、別料金で憧れのストリッパーと写真が撮れるってんで、友達に金借りて撮ったんや。ええ匂いしたで、写真にキスマークもつけてくれた。」
ここまではまだ良かった。でも、次の展開に私の表情は固まる。
「さらに別料金で、手で抜いてくれるサービスがあってな…」彼は真剣な顔で話し始めた。「俺、また友達に借金して頼んだんやけど、小部屋に連れて行かれて、カーテン越しに…っていうシステムやったわ。終わった後に気づいてんけど、カーテンの向こう側がストリッパーかどうか、わからんよな。もしかしたら…おっさんかもしれんやん⁉️」
彼は笑いながら言ったが、私の頭の中は真っ白。「初体験が、もしかしたらおっさんやったんかも…って友達に相談したわ。でも、友達は『最悪でもチケット売ってたおばちゃんやし、安心しろ』って慰めてくれた。」
その瞬間、私は心の中で決断した。この人との再会はない、と。
彼は満足気に話を終えると、上機嫌で店を後にした。私はただ静かに見送るしかなかった。
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