それは小さな雫

人知れぬところで流されている


雨粒

それは天の恵み

夜を超え永遠に流れ続ける


杭を差し

そこに広大な雨が降る


か細い声をその身に受けて

空を走って駆け付ける

黄色い光を引き連れながら

空の世界へ旅に出る


雫を受けて緑を産み

緑を受けて森ができ

森を受けて人が生まれる


輪廻の途切れるその時に

雫が枯れて泣きわめく


恩を仇で返した人々

恵みをずっと欲する人々


死して輪廻に取り込まれ

赤い雫は

大地を生き返らせていく

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