詩集~夜の足音~

虹空天音

忌み夜

夜の音

すぐそこまで迫ってくる

底知れない黒の気配

それから逃げて駆け込んだ


昼の場所から

追い出されるのは嫌だった

私は夜を生き抜けない


大股で歩いてくるそれが

いつか全てを飲み込んで

世界ごと

消し去ってくれればいいのに


人の気配がしないことを

ただ何回も確認して

ひたすら夜から逃げている


黒に沼へ取り込まれた人

夜に引きずり込まれた人

空に歪められてしまった


人 人 人


夜から逃げた少年は

黒い手に足を掴まれて

音もなく

そのまま夜に溶けてった

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